食品を取り扱ううえで最低限知っておきたい関連法規とその概要7選

食は人間の健康に直結するだけに、さまざまな法律があります。そのすべてが「知らなかった」では済まされないもの。食品を製造・販売する際はもちろん、紹介するだけの場合でも必ずチェックし、内容を周知するとともに、遵守するようにしましょう。そこで今回は食品を取り扱ううえで知っておきたい法律を紹介します。ぜひ参考にしてください。執筆:企業法務弁護士ナビ

食品にかかわる法律7選

それでは食品を取り扱ううえで知っておきたい法律を見てみましょう。

食品衛生法

食品の安全を確保するために必要な基準や、表示・検査方法について定められた法律です。飲食店を経営する場合、食品衛生法に基づき、都道府県知事から許可を得ねばなりません。また、営業にあたっては「食品衛生責任者」を置く必要があります。

さらに食品衛生法では、不衛生な食品の販売等を禁止しています。該当するものは以下のとおりです。

  • 腐敗、変敗したものまたは未熟なもの
  • 有毒、有害な物質が含まれ、もしくは付着しまたはこれらの疑いのあるもの
  • 病原微生物により汚染されているものやその疑いのあるもので人の健康をそこなうおそれのあるもの
  • 不潔、異物の混入、添加などにより人の健康をそこなうおそれのあるもの
    引用:厚生労働省「食品衛生法概要」)

そして食品衛生法では添加物や製造方法、成分についても、厳格に定めています。主なものは以下のとおりです。

  • 食品(成分規格、製造基準、加工基準、調理基準、保存基準)
  • 添加物(成分規格、保存基準、製造基準、使用基準)
  • 器具及び容器包装(材質別規格、用途別規格、製造基準)
    (引用:厚生労働省「食品衛生法概要」

食品衛生法を守っていない食品の販売は法律違反になります。食を取り扱ううえで最も基本的で重要な法律ですから、内容を必ず覚えるようにしましょう。

食品表示法

食品表示法は、『JAS法(農林物資の規格化等に関する法律)』『食品衛生法』『健康増進法』の3法に定められた食品表示に関する規定を整理・統合された法律です。食品に関する情報をしっかり表示するよう定めた法律と覚えておくとよいかもしれません。

代表的なところでは、おおむね5日以内に品質の低下が予想される食料品に記載する消費期限、長時間保存できる加工食品に記載する賞味期限の表示義務などがあげられます。

また、加工食品については名称・原材料・添加物など原産地名や原産国名、保存方法や製造業者・輸入業者の氏名・住所などの表示が義務づけられています。仮にヘルスケア食品を販売する場合、それが加工食品に該当する場合は、細かな表示が必要になることを覚えておいてください。

食品安全基本法

食品安全基本法は食品の安全を確保するため、2003年に定められた法律です。比較的新しい法律ですが、BSE(狂牛病)問題や食品添加物などの不正使用が社会問題化したことを受けて制定されたことが理由です。当然のことではありますが、食品を取り扱う場合は食品安全基本法にのっとり、安全性が確保されたものを提供する必要があります。

昨今は鳥インフルエンザやBSEなど、食物を発端とする伝染病が多数発生しています。食品が病原菌の発生源と疑われる場合、この法律に基づき食品安全委員会がリスク評価を行うことになります。

食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律

食に関する法律は「食べる」だけではありません。作ったものが余ったとき、どのように処分するかについても、きっちりと決まりがあります。そんな食品の廃棄について定めたのが、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」です。通称『食品リサイクル法』と呼ばれ、売れ残り、食べ残しなどの抑制と再生利用の促進を定めています。

食品を販売する予定がある場合は、あらかじめ廃棄の方法についても考慮しておく必要がありますね。

HACCP支援法

HACCP支援法は、食品を安全に保つ衛生水準及び事業者が目標とする一定の品質水準を確保するための取り組みなどを定めた法律です。食品の安全性向上と品質確保など、食品製造事業者が「高度化計画」または「高度化基盤整備計画」を作成した場合、指定認定機関が一定の基準を満たしていると判断したうえで、日本政策金融公庫の金融審査に通った場合は、融資を受けることができます。

なお融資の対象は資本金3億円以下又は300人以下の事業者など、細かな規定があります。詳細は農林水産省オフィシャルサイトにまとめられていますので、一読することをおすすめします。

食料・農業・農村基本法

ヘルスケア商品の販売を考える場合、「自分で作ることからはじめる」ことを考える事業者もいるのではないでしょうか。その場合、食料・農業・農村基本法を認識しておく必要があります。もちろん、自分が作らない場合も、仕入れることなどはあるでしょう。その場合も、食料の取り扱いや基本的な考え方、農業とのかかわり合いに関する取り決めは知っておく必要があります。

流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法

食品を流通・販売する際、第三者が毒物を混入するリスクが発生します。この第三者が、製造する人間である可能性も、ゼロではありません。「流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法」は、飲食物に毒物を入れた人間を取り締まる法律です。混入した者は10年以下の懲役又は30万円以下の罰金刑となる可能性があります。

また、この結果、人を死傷させた場合は、無期又は1年以上の懲役となる可能性があります。毒物を入れる人間はいないと思いますが、社員に周知させることで抑止力になる部分もあります。社内掲示板に条文を貼っておくなどするとよいでしょう。

まとめ

人間の健康と密接な関わりを持つ『食』。身体を元気に保ち、長寿を実現するための秘訣は、『体内に好影響を及ぼす食べ物を摂ること』と言っても過言ではありません。

ヘルスケアを指導するうえでも、『食』は大切な要素です。身体によい物を食べるようユーザーにすすめている人や、製造・販売を考えている事業者もあるのではないでしょうか。ただし、健康に直結する物だけに、当然ながら間違ったものをすすめることはできません。

デリケートな食材は、保存方法を間違えてしまうと、『身体によい』とされるものでも、健康被害を与えてしまいます。最悪の場合、それが犯罪になりかねない事態に発展することもありえます。食を正しく取り扱うためには、どのような行為が法律違反になるのかを知っておかねばなりません。この記事が、食品を扱う方々の参考になれば幸いです。

【執筆】企業法務弁護士ナビ

【監修】梅澤康二(弁護士法人プラム綜合法律事務所

 

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