超希少疾患「胎児心室頻拍」、全国調査で胎児治療の有効性示す 国循・成育医療センター
国立循環器病研究センターと国立成育医療研究センターの研究グループは、超希少疾患である胎児心室頻拍(VT)の全国調査を実施し、胎児治療の有効性と安全性を明らかにした。研究成果は今年2月、国際学術誌『European Heart Journal』に掲載された。
VTは、心拍数が速くなりすぎる不整脈で、50万妊娠に1例とされる極めて稀な疾患。そのため実態の解明が進んでおらず、胎児の突然死のリスクから早産での分娩を選択せざるを得ず、治療や管理の難しさが指摘されてきた。また、十分な根拠がないまま胎児治療が行われることもあり、課題となっていた。
研究グループは、胎内でVTと診断された症例について、胎児心疾患レジストリの参加施設77施設に一次調査を行い、回答施設に対して二次調査を実施。発症時期や原因、治療内容、出生後の経過を解析した。その結果、VTの約4割は、危険な不整脈が起きやすくなる遺伝性不整脈「QT延長症候群」によるものであった。この場合、全例が妊娠32週までに発症していた。また、QT延長症候群の胎児8例に対しては、硫酸マグネシウムなどを用いた胎児治療が行われ、胎児期には87.5%で不整脈の抑制に有効性が認められた。一方で、出生後は解析対象となったすべての症例でVTがみられ、とくにQT延長症候群の児では薬物治療が効きにくいことや、神経発達の遅れを生じやすいことが明らかになった。
研究グループは、「胎児治療の有効性は高いことから、妊娠32週までに発症した場合はQT延長症候群を想定し、積極的な胎児治療が重要」とコメント。今後については「本成果を反映した、日本胎児心臓病学会を中心とした診療ガイドラインの整備により、診断・治療の標準化と母児の安全性向上、出生後まで切れ目のない医療のフォローアップにつなげたい」としている。
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