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補聴器の長期使用が認知症リスクを緩和、発症と関連する聴力も特定 慶應義塾大学

補聴器を使っていない高齢の難聴者では、聞こえが悪くなるほど認知機能が低い傾向があり、聴力の低下が一定の程度を超えると、認知症リスクが高まる可能性が明らかになった。慶應義塾大学の西山崇経専任講師らによる研究で、成果は2025年、国際学術誌『NPJ Aging』に掲載された。

超高齢社会の日本では認知症対策が喫緊の課題となっており、難聴は中年期における「予防可能な最大の認知症リスク因子」の一つと指摘されてきた。しかし、どの程度の聴力低下から介入すべきかは明確な指標がなく、補聴器使用の適切な開始時期は不明確だった。

そこで研究グループは、2022年から2023年にかけて慶應義塾大学病院を受診した55歳以上の難聴患者117人を対象に、聴力と認知機能の関係を検討した。研究は、補聴器未使用者55人のグループと、3年以上の長期使用者62人のグループに分けて比較。認知脳検査は、2種のテスト(MMSE-JとSDMT)を用いて評価した。

 

認知症リスクになる聴力レベルを解明 補聴器を始めるタイミングにも指標 慶應義塾大学

【出典】慶応義塾大学

 

その結果、補聴器未使用グループでは、聴力が低いほど認知機能スコアが悪いことが確認された。さらに、平均聴力が38.75デシベルを超えると、認知症リスクを持つ確率が高いことが明らかになった。一方、補聴器の長期使用者グループでは、聴力レベルと認知機能の間に有意な関連は認められず、補聴器の長期使用が、難聴による認知症リスクの緩和につながる可能性が示唆された。

研究グループは、「難聴の程度に応じた補聴器介入の目安を示す結果となった。また、補聴器の長期使用が、難聴による認知症リスクの緩和につながることが示唆された」とコメント。「今後は、平均聴力が38.75 デシベルを超える症例に適切な補聴器診療を行うことで、早期の認知症予防につながることを期待したい」としている。

 

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