女性ヘルスケアビジネス専門のニュースレター登録
女性ヘルスケアビジネス専門のニュースレター登録

認知症の早期発見に新手法、オノマトペで高精度に判定 順天堂大学

順天堂大学の中島円准教授と電気通信大学の坂本真樹教授らの研究グループは、オノマトペを用いた検査により、軽度認知障害(MCI)のリスクを高精度で予測できる手法を開発した。研究成果は今年10月、国際学術誌「Frontiers in Artificial Intelligence」に掲載された。

高齢化に伴い、認知症の早期発見は重要な課題となっている。しかし、従来の認知機能検査である「MMSE」は、日付や場所を答えさせるなど認知機能の低下を直接意識させる設問構成であることから、被験者にとって心理的負担が大きい。こうした不安や抵抗感が、受診遅れの要因となることも指摘されてきた。他方、物体の質感を表現する際に人々が用いる「ふわふわ」「ざらざら」などのオノマトペは感覚情報と密接に関連していることから、認知機能の変化によってその選択傾向が変わることが知られていた。

研究では、順天堂大学医学部附属順天堂医院の外来を受診した233人の高齢者を対象に、質感認識検査「SSWTRT」を実施。12枚の素材表面の拡大画像を見せて、「ふわふわ」「ざらざら」など8種類のオノマトペから、その質感を最もよく表すものを選んでもらう検査で、回答傾向を健常な若年層の平均と比較してスコア化し、年齢や教育歴などとあわせて軽度認知障害(MCI)のリスクがあるかどうかを分析した。そのデータをもとに、いくつかのAIモデルを使って判定したところ、従来のMMSE検査と同等の精度でMCIリスクを見分けられることがわかった。さらに、AIが導き出した結果の根拠を数値で示す手法により、柔らかさや粗さなど特定の質感画像への反応が、リスク判定に特に影響を与えることも明らかになった。

研究グループは、「オノマトペを使うことで、被験者が恥ずかしさを感じずに検査を受けられ、早期に認知症リスクを発見できる」とコメント。「今後は、医療従事者がいなくても短時間で実施できるため、タブレット端末などを活用した大規模スクリーニングや、認知症診断&予防ゲームアプリの開発を視野に入れている」としている。

 

【編集部おすすめ記事】
認知症とMCIの人の消費行動、2025年の経済インパクトは14.7兆円 女性は8.2兆円
認知症のヘルスケアサービス、指針を公開 日本認知症学会など
性ホルモンが認知症の発症に関連、30万人の男女を12年間追跡で明らかに
女性における「カフェイン摂取」と「認知症・認知障害」の関連、5,060人のデータ
女性ヘルスケアビジネス戦略ハンドブック2025市場全体像とマーケティング基本施策

PAGE TOP
×