「子育ての両立、悩みない」 意識改革すべきは女性ではなく、男性
女性活躍は職場でどれくらい進んでいると思うか?という意識調査結果で次のことが分かった(一般社団法人日本能率協会調べ 全国のビジネスパーソン1000人対象)。
No.1.現在の職場で女性活躍が「進んでいる」と思う人は5割。女性が男性を12ポイント上回る。30代、40代は、他年代に比べ女性活躍推進の実感が薄い。
No.2.女性活躍「今より進むべき」と考える人は7割弱。30代、40代は他の年代に比べやや消極的。
No.3.女性活躍「進んでいる」と回答した人の7割超は、職場がビジネスで十分な成果を上げていると回答。一方、「進んでいない」と回答した人では5割と、その差は20ポイント以上。女性がイキイキ働ける環境づくりは、職場全体のパフォーマンス向上に貢献。
No.4.女性の活躍を推進するために必要だと思うこと、男性1位「女性の意識改革」、女性1位「女性社員に向けた育児・介護両立支援制度」。女性は“意識改革・意欲”より具体的な“制度”を重視。管理職登用は、女性活躍の次のステップか。
No.5.育児をしながら仕事をする上での悩みは「就業時間の制約」「同僚・部下への迷惑」。一方、男性の半数近くは
「悩みはない」と回答しており、男女間で意識のギャップも。
(引用:一般社団法人日本能率協会)
意識改革すべきは女性ではなく、男性
ここで気になる点が。
No.4を見てみよう。女性活躍推進に必要と思うことは?では男性第1位の回答は「女性の意識改革」となっている。この男性の考え方にはいささか憤りを感じる女性も多いのではないだろうか?女性の意識改革の前に、女性たちが同質問に回答している通りまずは「仕事に集中できる環境づくりや制度」の方が優先すべきことだ。どんなに仕事への意識が高くても、出産・育児・介護というライフイベントが発生すれば、その役割はたいてい女性側が担う。仕事に影響が出ざるを得ない。
現に男性はNo.5の「育児をしながら仕事する悩みは?」に関して男性の半数近くは「悩みはない」と回答している。子育てに関する悩みはない、ということはつまり、子育ては女性に大方任せているからとも捉えられる。妻に子育てを任せておきながら、女性に対して「女性活躍推進を進めるには女性の意識改革が必要」と女性に求めるのはいささか疑問である。女性活躍推進のために必須なのは、会社の制度や環境づくりに決定権を持っている多くの男性幹部たちの「意識改革」だ。
合わせて読みたい記事
【編集部おすすめ記事】
■働く女性のストレス、ピーク期を分析 58歳以降で高ストレス者が減少
■健康問題で仕事・家事への影響がある人の6割が女性、384万人
■均等法第一世代の定年が間近に、45歳以上の中高年女性の定年退職意識
■女性が休みやすい環境づくりを、「生理休暇」の改称や休暇制度の新設が加速
■女性の健康課題、年間の経済損失は3.4兆円 経産省