働く女性の新キーワードは「時短」から「時産」へ
働く女性の新たなテーマとして、「時産」が広がりを見せるかもしれない。30代の働く女性向けファッション&ライフスタイル誌ドマーニ10月号(小学館)では、「もはや時短ではなく時産の時代」とし、「ワーキングマザーに学ぶ時産のコツ28(p.269)」の中で、働くママたちの時間の使い方を紹介している。働く女性向けに商品・サービスを開発、あるいは提案する際、視点を「時短」ではなく「時産」にずらしてみると、新たな発見がありそうだ。
タスクの時間短縮は「時短」、新たな時間を作り出すのが「時産」
時産とは、文字のごとく「時間を産みだす」ことだ。限られた24時間の中であらゆるタスクをこなすためには、いかにして時間を作るか?が重要だ。これはママに限らず、忙しい現代人なら誰もが日頃から考えているテーマで、ビジネス本などでも「時間節約術」として様々なハウツーが紹介されているが、時産は「時短」や「時間の節約」とはちょっと異なる概念だ。
タスクそのものの時間を短縮することを「時短」「時間の節約」と言うなら、「時産」はタスクとタスクの隙間に「新たな時間を作り出す」ことを意味する。
女性たちの日常生活あれこれ「時産術」
女性たちは日常生活の中でどのような工夫で時間を作り出しているのだろうか?例を見てみよう。小さな工夫も多いが、チリも積もれば、だ。様々な「ながら」や「時短術」を駆使することで新たな時間を産みだしている。
- 通勤の行き帰りで歩くことで、「運動時間」を改めて確保する必要がなくなる。
→「運動時間」がなくなり、新たな時間確保 - 洋服とアクセサリーは近い場所に置く、洋服は「仕事用」と「プライベート用」でクローゼット内を仕分ける、仕事用の洋服は定番の組み合わせを決めておくなど、動線や目的を考えた配置・整理をすることで、出かけるまでの時間を短縮
→「迷う時間」がなくなり新たな時間確保 - 自作のメイクパレットに、ファンデーションやチーク、アイシャドウを収納。
→「各アイテムを都度探したり開ける時間」がなくなり、新たな時間確保 - 仕事でメールを書くときは、必要以上に敬語を使わない。単語の登録機能を活用してメール作成の時間を短縮。
→「不必要に長いメール作成の時間」がなくなり、新たな時間確保 - カビが発生しやすい浴室は、風呂上がりの都度ささっと掃除
→「大掃除の手間」がなくなり新たな時間確保 - 朝食を作る時に夕食分の野菜もカットし、夜の調理時間を短縮
→「夜の調理時間」がなくなり、新たな時間確保 - 映画やドラマを2倍速で見る、あるいはネタバレを読む。
→「視聴時間」が短くなり、新たな時間確保 - 浴槽に浸かりながら顔のエクササイズ。
→お風呂上がりのエクササイズ時間がなくなり、新たな時間確保
このような「時産」テクニックで新たにできた時間を使って、女性たちは他のタスクに取り掛かったり、自分のための時間を過ごす。
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女性の「時産」ニーズを叶える商品・サービス例
次に、「時産」を叶えてくれる商品やサービスの事例を見てみよう。「時産」を叶えてくれるのは、時短商品・サービスだけではなく、「ながら美容」や「ながら運動」ができるものも当てはまる。特に「ながら」関連の商品・サービスはダイレクトに時産につながり、消費者も「時産」のイメージがつきやすい。次の例を参考に、「時産」の視点で商品・サービスの開発・提案を考えてみよう。
- ネットスーパー(買い物の行き来の時間がなくなる)
- シェフの出張料理(特別な料理には、レシピの確認と材料・調味料の購入が必要。それらの時間がなくなる)
- 食材と調味料がパッケージ化された食宅サービス(同上)
- 乾燥付き洗濯機(干す時間・乾かす時間がなくなる)
- 自動掃除機(週に何度も掃除する必要がなくなる)
- キッチンの排水口のヌメリを予防する洗浄剤 (ヌメリが蓄積されないので掃除する手間がなくなる
- 聞き流すだけで学べる外国語教材(机に向かってリスニング勉強する時間がなくなる)
- 美容院でヘアカラー・ヘアカットと同時にネイルの施術(美容院とネイルサロンそれぞれに出向く必要がなくなる)
- 寝ながらヘルスケア(起きている間にケアする手間がなくなる)
- デスク付きフィットネスマシン(仕事と運動、それぞれに時間をかける必要がなくなる)
- 置き型ドライヤー(髪を乾かしながら他のことができるので、それぞれに時間をかける必要がなくなる)
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