商品開発のプロセスと、女性向けヘルスケア商品の開発ポイント(3/3)

女性向けヘルスケア商品の開発事例

女性向けヘルスケア商品の開発で参考にしたい事例は以下3つ。いずれも女性のニーズや社会トレンドを正確に捉えており、かつ斬新性が高い。

1. 乳がん発見IoTブラジャー「EVA」

1週間に1回わずか1時間着用するだけで乳がんの早期発見が可能になる「乳がん発見IoTブラジャー」。メキシコ発。乳がんは早い発見が鍵となるが、発見が遅れて命を落としてしまったり全摘になる女性は後を絶たない。それを、日頃使用するブラジャーで発見しやすくするという、これまでにはなかった画期的商品。「乳がん検診に行くべきと分かっているが面倒、時間がない、つい後回しにしてしまう、痛いから怖くて行きたくない」と検診を敬遠する女性は多く、これらが乳癌発見の遅延を招く大きな原因にもなっている。それを見事に解決したのが同商品。商品が発表されるとその斬新さでたちまち話題に。

2.油性マーカーを簡単に落とす「シャワーヘッド型美顔器」

テレビCMで放映され、たちまち「何あれ!?」と注目を集めたのがシャワーヘッド型美顔器のミラブル。「肌に負担かけずに毎日洗顔したい」「疲れた夜でもさっと簡単に、時短に、完璧にメイクを落としたい」ニーズに応えている。商品自体も斬新だが、商品特性の“見せ方”も女性を惹き付ける構成になっている。テレビCM放映開始直後すぐに注目されたのも納得。

3. 健康寿命伸ばす4世帯住宅

高齢者向け住宅や二世帯住宅と言えばこれまではバリアフリーが一般的だったが、LIXIL住宅研究所が2018 年に発表した「~人生100歳時代の未来住宅~五世代」は、あえて家中に段差を組み込んだ設計になっている。人生100年時代に備え、暮らしながら足腰の衰えを防止する「健康寿命を伸ばす」住宅。これまでの常識とされてきた「バリアフリー」を無くしたことは時代の流れを反映しており、さらに昨今の消費スタイルである「家中充実」ニーズに応えている。

商品開発で意識すべきは販売戦略の仮設計

商品開発で一番意識すべきは、開発段階で販売戦略まで仮設計をしておくこと。特に大企業では開発部署と販売部署が別になっているのが一般的だが、それゆえどうしても開発部署は “ 研究者・開発者目線 ” になりがちだ。すると、商品が完成して販売部署へ仕事が移る頃には、販売部署のメンバーは「ターゲットのニーズに微妙に合ってないな〜。売るのが難しい」「デザインがどうも今のトレンドに合ってない」「誰をターゲットにした商品なのか曖昧で、適格なキャッチコピーが見つからな」などの事態が起きてしまう(実際にそのような事例を、弊社では多く見てきた)。開発段階で「売るときのこと」まで考えておくだけでも、このような事態を避けることは可能だ。つまり、商品開発失敗のリスクを少しでも抑えられる。商品開発ではブルーオーシャンを見つけることから始めるのも手。以下記事をチェック。

 

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