フリーランスの健康課題・健康不安が明らかに、3人に1人が「病気・怪我の備えがない」 6割が「健診未受診」
フリーランスは企業などに属する就業者とは異なり福利厚生制度の恩恵を受けられないことから、健康不安や経済不安は強い。こうした課題を可視化しようと、フリーランス支援事業のテックビズ(東京・渋谷)が調査を実施した。近年フリーランスが増加傾向にある中、昨年11月には「フリーランス保護新法」が施行されたものの、安心して働ける環境が整備されるまで、その道のりは険しい。調査を実施した同社は「健康診断の受診促進や経済的保障の充実など、フリーランス向けの福利厚生サポートが重要」と指摘している。
福利厚生がないことに不安、6割
調査は、フリーランスを本業とする20〜70歳の男女600人に実施。「フリーランスとして、福利厚生がないこと、または活用できていないことに不安を感じたことはあるか?」と聞いたところ、58.0%が「不安を感じている」と答えた。特に何に不安を感じているのか?トップ5は以下。将来の経済的安定や不測の事態に対する備えに対し、不安を抱えていることがわかった。
3人に1人が、病気・ケガ時の経済的備えがない
続いて「病気やケガで1ヶ月働けなくなった場合、経済的な備えはあるか?」と聞いた質問では、34.5%が「ない」と答えた。病気やケガにより働けなくなった場合に、経済的危機に即座に陥るリスクを抱えていることがわかった。
6割が「毎年の健康診断を受けていない」
「過去2年間で健康診断を受診したか?」という質問では、57.8%が毎年の定期健診を受けていないことがわかった。「2年間、一度も受診していない」は40.2%に上り、半数近くのフリーランスが、健康リスクの早期発見・早期対応の機会を逃している可能性がある。時間的・経済的制約から健康管理が後回しになりやすいフリーランスの課題が浮き彫りとなり、健康診断へのアクセスを改善する支援策の必要性が示唆される結果となった。
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