「親なきあと」問題への備え進まず ノート作成は約半数、アプリへの関心は8割超
「親なきあと」問題とは、障害のある子どもを支えてきた親などの家族が、高齢化や病気、死亡などにより支援できなくなった後に、本人の生活が不安定になるリスクのこと。こうした問題に不安を抱える家族は多いものの、具体的な備えは十分に進んでいない。一般社団法人デジタル終活推進協議会が、「親なきあとノート」に関する全国調査で明らかにした。
調査は日本財団が主導するプロジェクトの助成事業によるもので、昨年8〜12月に、障がい者の家族と支援団体に実施した。調査では、家族の85.5%が「親なきあと」に強い不安を感じているにもかかわらず、具体的な準備に着手しているのは57.0%にとどまった。その内容は「預貯金・保険」などの資金面に偏っており、本人の意思や日常支援に関する情報を書き残しているのは、わずか1割程度だった。
親の不在により情報継承が途絶えることは、財産の損失以上に当事者の生活基盤を崩壊させる重大なリスクとなるものの、服薬、こだわり・パニック時の対応、身体介助の方法など、命をつなぐ支援情報の多くが親の記憶にのみ蓄積され、体系化されていない実態が明らかになった。また将来への備えとして、親なきあとノートのデジタル化に関心を持つ層は多く、アプリに「関心がある」との回答は86%に上った。アナログでの準備が進まない一方、デジタルによる情報整理や共有への期待の高さが浮き彫りとなった。
具体的な行動に出てない家族が多い背景には、「何を書けばよいかわからない」「書き方がわからない」といった準備のハードルの高さがある。こうした状況を踏まえ同協議会は日本財団と連携し、デジタル版「支援引継ぎカルテ(仮称)」の開発と制度化を推進するとともに、親が蓄積してきた日常支援・療育に関する情報をICTで次の支援者へ継承する仕組みを構築し、将来的には公的インフラ化を目指すとしている。
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