乳酸菌の種類一覧と市場動向 「女性の新日常フード」へ(4/4)
女性の乳酸菌ニーズ
上記の摂取実態把握調査からもわかる通り、乳酸菌で効果を感じているのはわずか1割で、乳酸菌商品が多いにも関わらず、消費者はその健康効果を十分に享受できていない可能性がある。以下のようなニーズが考えられる。
- 乳酸菌を摂取しても、メディアが騒いでるほど、私は健康効果を感じていない…
- 乳酸菌商品の種類が多くて、自分に合った乳酸菌がわからない
- 不調に合わせて手軽に乳酸菌・商品を選べるようになりたい
例えばヨーグルトを例に考えたい。「ヨーグルトを食べる最適なタイミング」「一日の適切なヨーグルト摂取量」「ヨーグルトをしばらく食べないと菌の数は減るのか?」など、ヨーグルト摂取一つとっても意外にも分からないことは多い。乳酸菌が健康・美容に良いことは広く知られているが、実は曖昧にしか理解できていない女性は多いのでは?自社の乳酸菌商品に関する基本的なQ&Aを公開したり、乳酸菌別ではなく、消費者目線で不調対策別にシリーズ化・プロモーションを行うなどすると注目を集めやすそうだ。
時短派は商品購入
女性の「タイプ」によって、乳酸菌の摂取方法が異なることも確認しておきたい。働く女性など手軽に乳酸菌を摂取したい時短派女性は、ヨーグルトやサプリ、飲料が好まれる。
ナチュラル派、時間に余裕がある女性は手作り
ナチュラル派・時間に余裕がある専業主婦・食への安心安全を求めるママ、シニア女性などはヨーグルトメーカーを使うなど手作りを好む傾向にある。女性たちの手作りレシピはクックパッドに投稿されている。
女性の疾患予防にも
女性のがん部位別死亡率の1位は大腸がん。腸内環境の悪化が大腸がんや免疫力低下を招くことから、腸内環境改善の重要性は広く認知されている。「包括的な健康のために」乳酸菌を摂取するだけでなく、「大腸がん予防のために」乳酸菌摂取を継続する女性は今後さらに増えていくだろう。
日本において、植物性乳酸菌の摂取量が、ヨーグルトなどの動物性乳酸菌の増加に反比例して、近年大きく減少していることから考えて、植物性乳酸菌が大腸の病気の予防に関与する何らかの因子となっていることが考えられます。(引用:「腸がよろこぶ植物性乳酸菌のチカラ(双葉社)」p.23/松生クリニック院長 松生恒夫,カゴメ株式会社 イノベーション本部自然健康研究部部長 菅沼大行)
ほとんどの人が、がんにならずにいられるのは、人間に備わっている免疫システムが、がん細胞を除去してくれるからです。乳酸菌は、この免疫システムを強化します。(引用:「乳酸菌がすべてを解決する(アスコム)」p.18/著者:医師 後藤利夫)
発酵・乳酸菌のテーマパーク
漬物製造大手のピックルスコーポレーションは、健康・発酵・乳酸菌のテーマパーク「OH!!!健康・発酵・in飯能」を埼玉県・飯能市に2020年3月開業する。ショッピング棟では発酵・熟成・国産・無添加にこだわった漬物の他、全国から厳選した発酵食品を販売し、レストラン棟では地元食材を使用した、発酵・熟成・国際・無添加にこだわった料理を提供する予定。
乳酸菌に関する情報
学会・団体
各企業の乳酸菌に関するオウンドメディア
- 乳酸菌ラボ(フジッコ)
- プラズマ乳酸菌研究レポート(KIRIN)
- 植物と乳酸菌のチカラ(大塚チルド食品)
- 乳酸菌とおなかのこと(ビオフェルミン製薬)
書籍
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