女性ヘルスケアビジネス専門のニュースレター登録
女性ヘルスケアビジネス専門のニュースレター登録

思春期発症のADHD、薬物治療の副作用リスクが高い可能性 東京都医学総合研究所など

東京都医学総合研究所の山口智史研究員らの研究グループは、思春期発症のADHDでは、小児期発症のADHDと比べ、薬物治療の副作用リスクが高まる可能性があることを明らかにした。研究成果は2026年、国際医学雑誌『Lancet Psychiatr』に掲載された。

ADHD(注意欠陥・多動症)は、集中しづらい、落ち着きがない、といった症状を持つ発達の状態。従来、ADHDは主に子どもに見られ、成長とともに症状が軽くなると考えられてきた。しかし近年、思春期や大人になってから初めて症状があらわれる「思春期発症のADHD」が存在することが明らかになり、注目されている。また、小児期発症のADHDとは異なる性質を持つ可能性も指摘されていた。治療においては、発症時期に関わらず薬が広く用いられており、副作用として幻覚や妄想などの精神病症状が報告されている。しかし、どのような人に副作用が出やすいのか明確ではなく課題となっていた。

そこで研究グループは、思春期発症のADHDにおける薬の副作用に着目し、近年の研究成果を総合的に整理した。その結果、思春期発症のADHDは、小児期での発症に比べて精神病になりやすい遺伝的背景を持つことや、薬物治療による精神病のリスクが思春期発症のADHDで認められる一方で、小児期発症でははっきりとした関連が確認されていないことがわかった。これらの知見から、薬物治療に伴う精神病リスクは、特に思春期発症のADHDで高まる可能性が示唆された。

研究グループは、「この成果は、今後のADHD治療ガイドラインをより安全で効果的なものへ改善するための基盤となりえる」とコメント。「思春期発症のADHDに対する薬物治療の副作用をさらに検討し、エビデンスに基づいたガイドラインへとつなげていく」としている。

 

【編集部おすすめ記事】
周産期の母親のストレスが、子どものADHD発症に関与
メンタル不調による生産性損失は7.6兆円、女性20〜30代の対策の必要性を指摘
メンタルヘルス対策の実施率と取り組み内容トップ10 、約8,300社を調査
女子学生の自殺念慮は男性より強いことが明らかに
メンタルヘルスのヘルスケアサービス、指針を公開 日本産業衛生学会など

PAGE TOP
×