「健康経営銘柄2026」に44社、女性の健康推進 職場全体で底上げ
経済産業省と東京証券取引所は今月9日、従業員の健康管理を経営戦略として推進する上場企業を表彰する「健康経営銘柄2026」に、28業種から44社を選定した(一覧)。第12回となる今回は、女性特有の健康課題への取り組みを強化する企業の動きが目立った。
同制度は従業員の健康保持・増進を投資と位置づけ、長期的な企業価値向上を目指す取り組みを評価するもの。今回の健康経営度調査には4175法人が回答し、前年度から306法人増えた。女性の健康に注力する企業の取り組みは、業種を問わず広がっている。
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証券大手の大和証券グループ本社は、女性の健康施策を重点的に強化した。グループ全体で女性が社員の4割を占める中、月経・更年期の不調や女性がんなど健康課題への支援を、キャリア形成支援や育児・介護との両立支援と連動させた結果、キャリアアップを志向する女性社員が大幅に増えたという。
従業員の8割が女性という健康管理サービスのバリューHRは、育児や妊活を支える特別休暇制度の充実を図った。ワークエンゲージメントの向上に加え、「職場がさらに活気づいた」という。自社開発の健康管理サービスを社内でも徹底活用し、実践から得たノウハウを事業成長にも結びつけ、売上高は過去5年平均で15%成長を続けているという。
育児用品メーカーのピジョンは「赤ちゃんにやさしい場所」という企業理念を自社でも体現すべく、全社員を対象に女性の健康課題に関する教育を実施するほか、独自に「ウェルネス休暇」を新設し、属性やジェンダーの垣根を超えた相互理解の風土づくりに取り組む。
不動産のレオパレス21は、生活習慣と女性の健康をテーマに啓発活動を展開。従業員の77%が健康意識の変化を実感したという。業務ソフトウェアのオービックビジネスコンサルタントは社内診療所に女性外来を設け、女性特有の健康課題にも専門的に対応できる体制を整えている。
総合商社の丸紅は「女性の健康維持・増進」を健康経営の重点テーマの一つに掲げる。精密機器メーカーの島津製作所は認知症・循環器・がんに加え、女性の健康を含む幅広いテーマに取り組む。機械メーカーのDMG森精機でも、女性特有の健康課題に対する従業員の理解が深まったという。
経産省によると、女性特有の健康課題への企業の未対応が招く社会全体の経済損失は年間約3.4兆円と推計されている。同省は、経営層や管理職が課題を理解し職場環境を整備する重要性を強調している。
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