がん意識調査。自分ゴト化させて、生活者の健康行動を促す2つの施策

疾病予防行動を女性生活者に促すためには、がんや病気のリスクを他人事ではなく「自分ゴト化」させる必要がある。「自分ゴト化」させるためには、まず企業は適切なタイミングで、適切なアプローチをするべきだ、以下の調査結果「乳がんを意識する瞬間はどんなとき?」は施策のヒントになるだろう。

乳がんを意識する瞬間は、「芸能人の乳がん」

乳がんを意識するタイミングで最も多いのは、芸能人の乳がん。近年では、ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリー氏、小林麻央氏、北斗晶氏が記憶に新しい。彼女たちのブログにはテレビで報道されると同時に数万件単位のコメントが寄せられる。そして多くの生活者は「検診に行こう」という意識へと変わり、実際に行動を起こす女性も多い。

 

元女子プロレスラーでタレントの北斗晶さんの乳がん告白以来、全国で乳がん検診の問い合わせや予約が激増している。報道によると、東京都がん検診センターではすでに年内の検診予約はいっぱいだという。東京だけではない。大阪、名古屋などの都市部から地方の病院にいたるまで、年内の予約は埋まっているという。

筆者は講演で地方に行くことが多いが、ある地方都市では病院関係者から「こんなことは初めて。大きい声では言えませんが、病院としては嬉しい悲鳴です。やはり、有名人とテレビの力はすごい」という話を聞いた。(引用元:Business Journal)

注目すべきは企業による働きかけ

ここで注目したいのが、グラフで5位と6位にランクインしている「カラダのキモチのアドバイス」と「ピンクリボンデー」の2つだ(「芸能人ががんになったのを知ったとき」が「自分ゴト化」させる大きなきっかけにはなっているものの、これは突発的・一時的効果なため、当記事では除外する)。

同調査は、「カラダのキモチ」を運営するドコモヘルスケア(東京・渋谷区)が、同サービス利用者に向けて行っているため5位にランクインしているが、健康維持時増進・疾病予防対策のための企業からの情報発信や適切なアドバイスは十分に行動を促すきっかけになっていることが分かる。

また6位にはピンクリボンデーがランクイン。ピンクリボンデーは規模が大きく認知度も高いことが貢献していると言えるが、このような「運動」も生活者の健康意識を高めて「自分ゴト化」させることに十分に貢献している。健康や疾病予防に関する運動や「○○週間」は大小問わず年中、様々な自治体や、協会により実施されている。

疾病予防対策を「自分ゴト化」させるために企業ができること

企業からウーマンズに寄せられる依頼には「健康や疾病予防対策、病気リスクを自分ゴト化させて、行動を起こさせるためにはどうすれば良いか?」という内容が多い。その答えは各社の資源や目標、状況、商品により異なるが、まずはどの企業もすぐに取り組めることは以下ではないだろうか?

  1. 正しい情報を「分かりやすく」「かわいく・おしゃれに」「適切なタイミング」で届ける
  2. 全国の自治体や各協会、各団体が行う「イベント」とのタイアップ

 

1の「情報を届ける」はあまりにも当たり前過ぎるように感じるかもしれないが、しかしこの当たり前が中々実行できていない企業は驚く程に多い。企業だからこその「信頼力」「専門知識」「ブランド力」を最大限に活用した情報を届けよう。企業が持つエビデンスや情報、専門知識は、企業が思う以上に生活者にとっては大きな価値だ。

尚、特に健康業界はどうしても「エビデンス」や「堅苦しいリーフレット」「難解な文章での訴求」になりがちだが、これらは女性を遠ざける要因になるのでくれぐれも「見せ方」には配慮すべきだ。

<参考記事>
・女性が購入を遠ざける商品とは…?チェックしてみよう
ヘルスケア業界では、特に男性チームで商品開発や店舗開発を行う場合このようなケースが目立つ。研究結果の論文を全面に打ち出すが、難しい言葉ばかりで読む気になれない…。大学教授のお墨付きを全面に打ち出すが、堅苦しそうな男性「おじさん(教授)」が目立っている…女性向け商品なのに!

2のタイアップも、簡単ではないかもしれないが継続的に取り組むことによる意義は大きい。「乳がんを意識するタイミング」で6位にピンクリボンが入っているということは、やはりイベント等による啓蒙活動は確実に生活者の意識を変え、行動変容につながっていることが伺える。自社商品・サービスとの相性の良いイベントを見つけて一緒に取り組んでみよう。

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