膝の黒ずみ対策、女性が実践する対策事例と口コミの傾向
色白ブームは以前と比較して落ち着いてきてはいるものの、それでも“黒ずみケア”は女性にとって大切なスキンケアの一つ。ひざ丈のスカートや半袖のトップスで見えてしまう膝や肘といったパーツは、普段から刺激を受けやすい場所でもあり黒ずみが気になる箇所。自由にオシャレを楽しむためにも日頃からのケアが欠かせない。毎日の予防からスキンケアまで、膝の黒ずみを解消するための、女性たちが行っている対策方法、商品・サービス事例を調査してみた。
目次
膝・肘の黒ずみが気になる女性は3割、生活習慣が原因
黒ずみを作る原因は、普段の生活習慣やクセによるものが大きい。そのため、日常動作を見直すことが黒ずみ対策につながる。
体の中で気になる黒ずみは「膝」「肘」が3割
マイナビウーマンが実施した調査によると、女性たちにとって黒ずみが気になるパーツは膝・肘が3割。この2つは服装によっては人目にも付きやすい箇所で、ケアのニーズが高い。
- 1位:デリケートゾーン(34.0%)
- 2位:脇(29.6%)
- 3位:膝(17.0%)
- 4位:肘(11.9%)
(出典:マイナビウーマン「原因は“女性ホルモン”!? 皮膚科医に聞く、カラダのパーツ別「黒ずみ」対処法」)
膝・肘の黒ずみの原因
黒ずみの原因は“色素沈着”。色素沈着とは、メラニン色素が過剰に形成され皮膚に残ったままになってしまう状態のこと。本来紫外線から肌を守るメラニン色素は、ターンオーバーによって排泄される。しかしこのメカニズムがうまくいかないと黒色のメラニン色素が皮膚に沈着、黒ずみを引き起こす原因となる。メラニン色素が形成されるきっかけは、紫外線や乾燥、皮膚への圧迫、衣類との摩擦とさまざま。日常動作で床やテーブルにつくことが多いと、外部からの刺激によって、思わぬ色素沈着=黒ずみが引き起こされてしまう。
<膝が黒ずむ生活習慣>
- ひざ立ちをすることが多い
- 膝をついて床掃除やガーデニングをすることが多い
- 膝をつくスポーツをしている(バレーボール)
- 職業によっては、黒ずみの原因を作る動作が必要とされる(例:保育士。小さい子どもと目線を合わせるために膝立ちすることが多い。実際にネット上の掲示板では保育士からの相談も多く、膝の黒ずみは保育士のあるある悩みである。)
- マット無しで膝をつく姿勢のままヨガや運動をする
- 膝の上で足を組む
- 膝がこすれるスキニージーンズを履く
- 入浴時にタオルで体をゴシゴシとこすって洗う
<肘が黒ずむ生活習慣>
- 頬杖をつくなど、よくテーブルに肘をついてしまう
- うつ伏せ状態で肘をついてスマホや読書をする
- アクリル/ナイロンといった摩擦の強い合繊繊維の服を着る
膝の黒ずみケア 対策事例と効果に関する口コミの傾向
膝の黒ずみケアは普段の予防対策から黒ずんだ後のケアまで、今の状態に合わせて選択できる。ただしスキンケアの場合、肌質によってはかえって肌荒れの原因にも。ネット上の口コミ(※)の傾向からそれぞれの効果と特徴を探ってみた。(※)発言小町、ヤフー知恵袋、Twitter、ブログ、各通販サイトなど
自宅にあるもので手軽に黒ずみケア
<重曹>
食品添加物である重曹は炭酸水素ナトリウム。そのため水に溶かすと弱アルカリ性の水溶液となりピーリング効果を発揮。また重曹には油分を分解する作用もあり、気になる角質や毛穴に詰まった皮脂汚れを落としてくれる。
- 【ケア方法】
①水に重曹を少しだけ混ぜる
②膝や肘に塗ったら数分放置
③完全に洗い流す
④化粧水や美容液でフタをする(重曹の保湿効果で肌への浸透力が高まるため) - 【効果】
即効性はないが1か月ほど続けることで効果が出たという声が多く、リーズナブルでお手軽なケアとして人気。一方で弱アルカリ性の水溶液は刺激も強く、肌が弱いために炎症を起こしたという声も
<塩>
塩でスクラブを代用することも可能。細かな塩の粒子がスクラブの役割を果たし、ザラザラとした角質を取り除いてくれる。また塩の中には、塩化ナトリウムやマグネシウムといった肌にいいミネラル成分も豊富。黒ずみ解消とともに美肌効果も期待できる。
- 【ケア方法】
①塩を適量手に取る
②マッサージしながら揉みこんでいく
③洗い流す - 【効果】
黒ずみ解消だけでなく塩が含むミネラルの効果で、肌がつるつるになったという声が多数。ただし肌が荒れている時や脱毛時はかなり染みるため注意が必要。食塩で無くにがりを含んだ粗塩で行うと効果的だが、肌質によっては合わないこともある。痒みや痛みを感じたらすぐに洗い流すこと。
※敏感肌で不安がある場合は、先にパッチテストを。塩水を肌の一部につけてから異常が見られないかチェックする
<手作りスクラブ>
塩や重曹を、蜂蜜やオリーブオイルと混ぜて手作りスクラブを作る女性も少なくない。他にもワセリンやベビーパウダー、ヨーグルトやメレンゲを使うなどスクラブにする材料は人によってさまざま。自分の肌質や悩みに合わせたオリジナルスクラブが流行している。
- 【ケア方法】
①オイル替わりの材料(例:オリーブオイル)とスクラブ替わりの材料(例:塩)を混ぜ合わせる
②液状である場合はマッサージしてもみほぐす/固形に近いときはパックとして使うことも可能
③洗い流す - 【効果】
仕上がりやテクスチャーを見ながら好みのスクラブを作ることができる。そのほとんどは食用品のため肌にも優しく低コスト。自分だけのスクラブを愛用する人も多く、黒ずみ改善だけでなく保湿や美白を目指して内容を変更することもできる。
市販商品で黒ずみケア
<クリーム>
黒ずみ解消のアイテムとして人気なのが、小林製薬のクロキュア。新しく登場した“クロキュアEX”は黒ずんだ角質を除去する「尿素」、血行促進成分「トコフェロール酢酸エステル」、抗炎症成分「グリチルリチン酸一アンモニウム」に加え、皮脂分泌促進成分「γ-オリザノール」を配合。肌表面の角質を取り除き、肌の内部からターンオーバーを促してくれる。
- 【効果】
即効性はないものの徐々に薄くなっていったという声が多い。中には子どもの頃からあった30年来の角質が取れたというケースも。反対に1か月以上続けても改善しなかったとする声もあり、効果が出るまで持続的なケアが必要だ。
<サポーター>
こちらはケアというよりは予防対策商品。やわらかな素材を使ったサポーターで、膝の黒ずみを招く膝立ちなどの衝撃から肌を守ってくれる。メーカーによっては子供用のものも。ペットサロンgoodoneは膝立ち作業の多いトリマーの悩みに着目し、スポーツ用とは異なる日常使いのサポーター「ラクシタ」を制作。伸縮性のある生地が特徴で、長時間履いていても違和感のない履き心地。
- 【効果】
ズボンの下に付けても目立たない点が人気を集めたが、中にはきつくてズボンの下には付けられなかったという声も。仕事場で使用する場合は制服が決まっていることもあるため、予めどれほどゆとりがあるかを確かめておきたい。
<ファンデーション>
こちらはケアというよりは黒ずみの対策商品。メイクによって黒ずみをす。コスプレ専門のコスメやウィッグを展開するアシストでは、膝や肘の黒ずみを消すファンデーション「ポイントファンデーション」を販売。
- 【効果】
もともとある黒ずみに対して上からカバーするため、薄く見せることはできても完全に見えないようにすることはできない。多少は隠せてもやっぱり気になるという声が多かった。
<他、様々な黒ずみケア商品 〜楽天〜>
楽天市場をのぞいてみると黒ずみケア商品は、クリームやピーリング効果の高い化粧品アイテムが多い。中でも人気は、全身に使えるボディ用美容ゲル。全身くまなくケアした上で膝や肘には重ねて使用することで黒ずみ解消にもつながる。
皮膚科など医療機関で黒ずみケア
医療機関で黒ずみケアもできる。皮膚科で黒ずみケアを行う場合、一般的に医療用の美白作用がある塗り薬が処方される。他にも顔のシミの治療に使われる内服薬が出されることも。
<膝の黒ずみケアに特化、膝ビューティコース>
美容医療を実施する衣理クリニック(東京・港)では、肘や膝の悩みに特化した適応メニューを用意。カウンセリングを行った後、「ケミカルピーリング」「BHAピーリング」「ビタミンCイオン導入」「美白アップ導入」「スーパー美白点滴」「外用薬」と目的に合わせたコースを受けることができる。
- 【施術内容の特徴】
・「ケミカルピーリング」角質除去効果のあるAHAを塗り、くすみのないなめらかな肌を取り戻す
・「BHAピーリング」毛穴の奥まで入り込むBHAで、毛穴の黒ずみ・凹凸を吹き飛ばす
・「ビタミンCイオン導入」皮脂の過剰な分泌を抑えキメ・毛穴の開きを改善、美白効果も
・「美白アップ導入」大量のビタミンCを肌の奥深くに送り込み、肌をワントーンアップさせる
・「スーパー美白点滴」美白成分を高濃度のまま全身に巡らせ、内側から白くキメ細やかな肌に
・「外用薬」他の治療と組み合わせて効果を高める
<膝のたるみも同時に、トータルケア>
完全オーダーメイドの治療プログラムが特徴の銀座ケイスクリニック(東京・中央)は、膝周りに特化した治療を提案。2ヵ月かけて行うトータルケア“美ひざ集中治療”では、フルーツ酸による「ケミカルピーリング」、レーザー照射治療「ジェントルレーズ照射」、脂肪の減少・コラーゲン線維の再成で引き締め効果が期待できる「スマスアップ」、安全に脂肪組織を分解する「脂肪溶解メソセラピー」の4方向のアプローチから、きれいな膝づくりをサポートする。
黒ずみケアは、特に子育て中のママに喜ばれる
膝の黒ずみ対策ニーズは以前からあったが、対策・ケア方法は今ほど多様ではなかっただけに解決できずに悩む女性は多かった。特に膝をつくことが多い子育て中のママたちが膝の黒ずみを気にしているものの、子育てで忙しい毎日の中、ケアせずに放置しているのが実際のところ。時間をかけずに気軽に、でも本格的にケアしてくれる商品・サービスがあれば子育て中のママたちに喜ばれるだろう。
【編集部おすすめ記事】
■世界5カ国の男性スキンケア意識 最も高かったのは中国
■特別なスキンケアを “しない” 理由
■肌ケアにトクホや機能性表示食品 スキンケアの新定番
■脱美白 肌のダイバーシティ化は世界的な流れに