狙い目ターゲットは「DINKS」と「シニア夫婦」

「女子会」「ママ友」「母娘」を狙ったマーケティング戦略は多いが、夫婦向けを想定しているのは少ない。もし、商品・サービスの新規開発を現在検討しているなら、ターゲットをレッドオーシャンの「働くママ」「働く女子」「シニア」にするのではなく、「子無し夫婦(または子がすでに独立した夫婦)」にしてみてはいかがだろうか。

ただし気を付けたいのが、夫婦といっても年代またはライフステージによって響くアプローチ・商品が全く異ること。ここではあまりターゲットにされていないDINKS(※1)と、シニア夫婦を比較して「子無し夫婦のマーケティング戦略」を考えてみたい。(※1)意図的または結果的に子を持たない夫婦のこと

20~30代夫婦、性別役割分業の意識低い

20~30代夫婦は性別役割分業の意識が低く、家事・育児は協力して行うという考えが広く定着している(とはいえ、実際はまだまだ負担は女性の方が大きいが)。特にDINKSの場合、家事は「できる方が、できる時にする」という分担制をとっている夫婦が多く、「夫の世話をするのは私の役割」という妻の意識はさほど強くない。

また子がいない分、夫婦間のコミュニケーションが活発で、妻は「休日は夫と一緒に出かけたい」「夫と共通の趣味を見つけたい」「お互いに仕事後に待ち合わせして外食をしたい」気持ちが強い。お互いに仕事をしているので結婚していても一緒に過ごす時間がそう多くはないことも、「夫婦一緒に何かをゆっくり楽しみたい」気持ちが強くなる要因だ。

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シニア世代夫婦、性別役割分業の意識強い

一方でシニア世代の夫婦では年齢の上昇とともに「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業が強く残っており、「妻が夫の世話をする」という意識が妻・夫ともに見られる。中には「夫の存在は、息子が一人増えたようなもの」と表現する女性も。夫の存在は妻にとってはある意味「負担」でもあり、そのプレッシャーや疲れから妻側には「夫から離れたい」意識が芽生えやすい。「夫と一緒に何かしたい」と考える若いDINKSとは大きな違いだ。

夫婦向けマーケティング、提案は「妻」か「夫」かを選びたい

以上のことから、同じ夫婦でも世代によって妻の夫に対する気持ちには違いがあることが分かる。夫婦向けの商品やアプローチでは、以下が有効な戦略の一つと考えられる。

  • (1)DINKS
    夫婦一緒に使える商品やイベントを「妻側」に提案
  • (2)シニア夫婦
    夫が妻をサポートできる商品やサービスを「夫側」に提案。または、妻側に「たまには家庭を離れて、悠々自適に一人時間を過ごせるモノ・コト」を提案

(1)DINKS向けマーケティングは妻側からの評価が高くなる

DINKS向けマーケティング戦略で参考にしたいのが以下3例。キリンの夫婦を対象にしたキャンペーンは妻側から高評価だった。他にも若い夫婦を対象にアプローチを行う企業は少しずつ増えている。

シェアコスメの提案はコスメ業界以外でも応用できるので、女性マーケティングの新手法に夫婦・カップルを対象とした「シェア型」戦略を検討してみてはいかがだろう。

(2)シニア夫婦向けマーケティングは「夫」がカギ

夫はいつも妻に「してもらう」側。それが妻の「夫から離れたい」を助長してしまうので、妻側が「してもらう」側になるようなモノ・コトは妻に喜ばれやすいかもしれない。間違っても妻側に提案しないように。

肝は「夫側」へ提案すること。そしてもう一つは「妻を夫から『解放』させてあげるモノ・コト」を妻側へ提案すること。60~70代の間でも女子旅や女子会が人気なのは「夫から解放されて女子だけで自由に楽しみたい」という気持ちの表れとも言える。夫から自立したいという気持ちの表れは、以下記事の「配偶者に介護してほしい男性、してほしくない女性」からも見てとれる。

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