ヘルスケアニーズ高い企業規模は?特別休暇制度の充実に差あり

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厚生労働省は今月、企業の特別休暇制度の有無を企業規模別に公表した(平成30年 就労条件総合調査)。特別休暇とは法定休暇(年次有給休暇、産前・産後休暇、育児休業、介護休業、子の看護のための休暇など)以外に付与される休暇で、就業規則などで制度として認められているものを指し、病気休暇やリフレッシュ休暇、夏季休暇などがある。有給か無給かは企業によって異なる。

調査によると、特別休暇制度がある企業は60.3%で半数以上に上るが、企業規模によって差が見られた。企業規模が大きいほど、特別休暇制度を設けている企業が多い結果に。(以下は特別休暇制度がある企業の割合を企業規模別に示している)

  • 1,000人以上(77.4%)
  • 300〜999人(69.5%)
  • 100〜299人(65.6%)
  • 30〜99人(57.1%)

続いて次の表は、各特別休暇を設けている企業の割合を種類別に示している。「夏季休業」については企業規模間で大きな差は見られなかったが、「病気休暇」「リフレッシュ休暇」「ボランティア休暇」については、企業規模が小さいほど制度を設けている企業の割合は低くなる。「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」厚生労働省より作成

特別休暇の制度、種類別企業割合(%)

夏季休暇 病気休暇 リフレッシュ休暇 ボランティア休暇 教育訓練休暇 左記以外の1週間以上の長期の休暇
1,000人以上 41.3 40.0 47.6 22.8 4.4 21.3
300〜999人 45.5 31.1 29.9 10.8 3.6 18.9
100〜299人 46.5 28.2 18.2 6.4 2.8 18.9
30〜99人 43.9 23.6 7.7 2.4 4.7 12.8

 

健康経営の推進や人手不足が続く中で、人材確保や生産性向上、ワーカーの健康維持を目的に特別休暇の充実を図る企業が増えているが、人的リソースに乏しい中小企業が大企業と同じようにワーカーに休暇を与えるのは難しいのが現状だ。以下の有給休暇の取得状況からもそれはうかがえる。企業規模が小さいほど有給休暇の取得日数は少なく取得率も低い。(「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」厚生労働省より作成

労働者1人平均年次有給休暇の取得状況(日)

労働者1人平均付与日数 労働者1人平均取得日数 労働者1人平均取得率
1,000人以上 19.1 11.2 58.4
300〜999人 18.0 8.6 47.6
100〜299人 17.7 8.4 47.6
30〜99人 17.5 7.7 44.3

 

有給休暇の取得率が低く特別休暇制度が充実していない中小企業では、社内で休暇の文化が根付きにくく健康経営も難しくなる。現状、仕事中のヘルスケアニーズが高いのは、大企業よりもそんな状況下にある中小企業なのでは。

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