地域医療の問題点と今後期待されること(2/3)

4.地方に勤務する医師の支援体制が確立していない

医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査(厚生労働省)」によれば、医師の44%が今後、地方(東京都23区及び政令指定都市、県庁所在地などの都市部以外)で勤務しても良いという意思を持っていることが報告されている。

意向はあるものの実際は地方勤務をする医師がいない理由としては、次のように報告している。

  • 【20代】
    労働環境への不安。希望する内容の仕事ができない。医局の人事のため選択の余地がない。専門医の取得に不安がある
  • 【30代および40代】
    子供の教育環境が整っていない。家族の理解が得られない。希望する内容の仕事ができない。労働環境に不安がある
  • 【50代】
    すでに都市部で開業している。労働環境に不安がある。家族の理解が得られない

この調査結果から、医師が地方に勤務したくない理由はどの世代であっても労働環境に不安があることや、過剰な勤務負担で家族の理解が得られないことが共通していることがわかる。

5.人口減少とともに患者数が減少、経営難で閉鎖する病院も

医療機関の休業・廃業・解散数は年々増加しており、地方ほどその割合が高い。経営者の高齢化、後継者不足、患者不足による収入源が主な要因だ。日刊工業新聞(2019年4月23日)によると2018年の1月から12月の一年で休業・廃業・解散に至った医療機関は400件。

負債額が最も大きかったのは「磐城中央病院」や「小名浜中央病院」を経営している医療法人翔洋会(負債61億6400万円、福島県、民事再生法)で、以下、医療法人社団大森会(同28億2500万円、熊本県、民事再生法)、医療法人天貴会(同10億5800万円、民事再生法、栃木県)と続いた。翔洋会の負債額は2000年度以降の医療機関倒産のなかで9番目の規模で、東北エリアの医療機関倒産としては過去最大級。引用:日刊工業新聞「休業・廃業は倒産の10倍、深刻化する医療機関の経営」

6.医師1人にかかる負担が大きい

さらに地方では、医師数や医療施設が絶対的に不足しているため医師1人にかかる負荷が大きすぎるという問題もある。医師が少ない地域ほど遠方の住民からも頼られ、また診療範囲も広くなる。もちろん交代要員も不足しているので休みが十分取れないといった問題もある。

地方に限らず、患者の受療行動にも変化が見られる。近年は休日や夜間に比較的軽傷の患者が緊急病院に駆け込むケース、何がなんでも大病院が良いとこだわる大病院志向、はしご受診の繰り返しなどで、これらは医師への負担を過重にし、緊急性の高い重症患者の治療に支障をきたす。さらに過重労働や医師への過度な負担は、医師の早期退職や過労死などの問題を引き起こす。

女性生活者の調査レポート