富裕層のマーケティング・定義(2/3)

富裕層の実態(職業、世帯数)

富裕層に多い職業

富裕層に多い職業は「会社代表者(創業者/創業者から継承した者/サラリーパーソン)」「役員」「医師」「不動産オーナー」「自由業(インスタグラマー、ユーチューバー、個人投資家など)」「会社員」などが挙げられる。古いデータではあるが、富裕層にあたる男女それぞれの職業について調査した結果が「富裕層の財布(三浦展,プレジデント社,2007年)」に記載されている。

富裕層の財布―誰も知らないお金の使い方

  • 【開業医】男26.3%,女6.3%
  • 【会社経営者(自ら起業)】男20.4%,女3.9%
  • 【会社経営者(親などから継承)】男11.1%,女2.1%
  • 【病院長、理事長】男9.3%,女1.1%
  • 【会社員】男8.2%,女6.7%
  • 【会社役員】男5.6%,女14.8%
  • 【会社経営者(サラリーマン)】男5.0%,女1.4%
  • 【勤務医】男2.1%,女1.8%
  • 【自由業】男1.3%,女2.1%
  • 【不動産経営】男1.3%,女1.8%
  • 【弁護士】男1.3%,女0.4%
  • 【自営業】男0.8%,女3.9%
  • 【専業主婦・無職】男2.9%,女45.8%
  • 【その他】男3.1%,女8.1%
  • 【無回答】男1.1%,女-%
    (出典:「富裕層の財布著者p.13」著者:三浦展)

上記は13年前の調査結果なので、「働く女性の増加」「管理職のうち女性が占める比率の(わずかな)向上」「副業する男女の増加」「幸せややりがいを求めて、“勤め人”をやめて自分の好きなことをする若者(農業従事、小規模カフェの経営など)の増加」「インターネットを使って簡単に稼げるようになった」など今の時代の潮流を考慮すると、2020年現在、再度調査を行えばおそらく上記職業のうち以下職業について数値が向上しているかもしれない。

  • 会社経営者(自ら起業)の女性
  • 会社員の女性
  • 会社経営者(サラリーマン)の女性
  • 自由業の男女
  • 自営業の男女

富裕層の年齢別割合ランキング

所得金額階級別世帯数の相対度数分布

厚生労働省「所得金額階級別世帯数の相対度数分布」をみると、富裕層の割合は以下のグラフの通り。所得1,000万円以上を富裕層とすると12.2%が富裕層となる(2018年調査)。

金融資産別割合

年収ではなく、金融資産(※)別割合でみた場合の富裕層の割合はどれくらいなのか。「日本の新富裕層(三浦展&三菱総合研究所生活者市場予測システム,洋泉社,2014年)」によると以下だった。
(※)預貯金+有価証券の合計

  • 1億円以上(0.9%)
  • 5000万円~1億円未満(2.3%)
  • 3000万円~5000万円未満(3.7%)
  • 2000万円~3000万円未満(4.7%)
  • 1500万円~2000万円未満(3.9%)
  • 1000万円~1500万円未満(5.2%)
  • 500万円~1000万円未満(11.1%)
  • 400万円~500万円未満(4.2%)
  • 300万円~400万円未満(4.9%)
  • 200万円~300万円未満(5.6%)
  • 100万円~200万円未満(10.4%)
  • 50万円~100万円未満(9.5%)
  • 50万円未満(12%)
    (出典:「日本の新富裕層p.8」三浦展&三菱総合研究所生活者市場予測システム)

富裕層・超富裕層の世帯数

野村総合研究所の推計(2018年公開)によると、2017年の日本の富裕層・超富裕層の世帯数は、推計開始をした2000年以降最多となった。預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた「純金融資産保有額」を基に、総世帯を5つの階層に分類し、各々の世帯数と資産保有額を推計している。富裕層の中でも5億円以上の資産を保有している層を「超富裕層」と呼び、同社推計によると超富裕層は8.4万世帯いるとのこと。各富裕層の世帯数推計は以下図の通り。

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