F1層とは?特徴・トレンド・消費行動(2020年)(3/3)

F1層のトレンドを調査する方法と、ささるプロモーション

F1層のトレンドのつかみ方

F1層のトレンドをつかむにはライフコース別にトレンドを捉える必要がある。ライフコースの特徴を理解した上でそれぞれに人気の媒体(雑誌、テレビ、webメディア、コミュニティサイトなど)をチェックすると、的確にトレンドやニーズを見つけられる。

なお、2020年の女性の最新トレンドについては弊社ウーマンズが2020年2月20日に幕張メッセ開催展示会「オリジナル商品開発week」の講演で登壇した際に発表させて頂いた「2020年女性市場トレンドと消費傾向」をご覧頂きたい。

女性市場トレンドと消費傾向

F1層に人気のメディア

F1層はマスメディア(テレビ、ラジオ、雑誌、新聞)よりもインターネットを一番の情報収集源としているので、F1層のアクセスを集める人気webメディアやF1層をターゲットにした人気商品の企業のオウンドメディアを見るのがトレンドやニーズ発見の参考になるが、ここでは女性誌を例にライフコース別の違いを見てみたい。インターネットとスマホの普及で女性誌の発行部数は年々減少しているが、雑誌は年代・ライフステージ・趣味などでターゲットを絞りこんで作っているので参考になることは多く、流行をつかむ方法としては最適。雑誌は発売の3カ月前に企画・制作されるため若干の時間差はあるが、トレンドの傾向をつかむには十分だ。雑誌からは、ターゲット女性が好む世界観、言葉づかい、興味・関心ゴト、トレンド、習慣、価値観、悩み・不満、所属コミュニティー、消費行動、金銭感覚などさまざまな情報を得られる。ここでは、F1層を未婚・既婚に分け、それぞれのライフコースにいる女性たちがどのような雑誌を好むのかピックアップする。

未婚女性に人気のメディア

自分消費が活発なF1層未婚女性が好むのは、ファッション誌や美容専門誌、ヘアスタイル誌、ダイエット誌、旅行誌など。F2層やF3層向けの雑誌と比べると、提案するファッションやメイクのスタイルが幅広いのが20代前半向けの女性誌の特徴。派手系、ナチュラル系、キレイ系、かわいい系など実にさまざま。20代前半向けのものは独身の女性をターゲットに紙面作りされているので、基本的には紙面に子どもは登場せず、彼氏、恋愛、デート、婚活、女子会などのトピックが豊富だが、20代後半〜30代前半向けになると、スキルアップ、ライフプラン、結婚・妊娠・出産など、「生き方・働き方」にフォーカスしたトピックが増え、ヘルスケアに関するトピックでは「美容」よりも「健康」が多くなる。次にあげるのは、未婚女性に読まれている代表的な女性誌

  • 美容3大雑誌(美的、マキア、ヴォーチェ)
    美容に特化した情報豊富な美容専門誌。毎年同時期に発表される各誌のベストコスメは女性や業界からの注目度が高く、美容業界のトレンドをつかむのにも重宝できる
  • ViVi
    20代前半の女性向けファッション雑誌。モデルにはトリンドル玲奈さんや河北麻友子さん、谷まりあさんなどタレントとしても活躍する有名人の顔ぶれが並ぶ。
  • non-no
    カジュアル&ガーリースタイルを提案。20歳前後の女性が対象
  • Ray
    ガーリー&フェミニンスタイルを提案。10代後半〜20代前半の女性向け
  • MORE
    働く女性向け、通勤服・カジュアル・フェミニンスタイルを提案。25歳以上の女性向け
  • CLASSY
    20代後半〜30代前半の、都市型の働く女性向け。オシャレな通勤服やカジュアルスタイルを提案
  • ヴァンサンカン
    エレガントスタイルやラグジュアリースタイルを提案する、富裕層向けファッション誌
  • GOSSIPS
    米国セレブのファッション・コスメ・ゴシップ情報が豊富。派手なファッションやメイクを好む女性たちに読まれている
  • CREA
    旅行、美容、ダイエットなど毎号1つの特集に絞った紙面作りが特徴。主な読者は30代の働く女性。特に旅行や美容に興味がある女性たちに読まれている

既婚女性に人気のメデイア

既婚女性と言っても専業主婦と就業中の女性では消費行動や興味・関心は異なるが、近年の働く女性の増加で、就業中、あるいは復職を予定している産休・育休女性をターゲットに紙面作りされているものが多い。家事、育児、節約、シーズナルイベントに関するトピックが豊富。F2層を対象にしたものでもママ向け雑誌はあるが、F1層のママ向けの場合は子どもがまだ小さいこともあり、子どもと一緒に楽しめるファッションスタイルやヘアメイク、シーズナルイベントの楽しみ方を提案するものが多い。

  • ひよこクラブ・たまごクラブ
    妊娠・出産時に読まれるママたちのバイブル本。
  • LDK
    商品をテストして真実を読者に伝えるモノ批評誌。節約派の若いママに人気
  • サンキュ
    家事・育児、ママの美容・健康など幅広く情報を発信。30代のママ向け
  • VERY
    おしゃれなママを提案する、30代のママ向け大人カジュアルファッション誌。シロガネーゼ、サロネーゼ、イケダン、リーマムなど、これまでにさまざまなトレンドワードを生み出している

F1層にささるプロモーション

F1層にささるプロモーションについても、未婚女性と既婚女性それぞれのライフスタイルや消費行動や価値観を考慮して設計すべきだが、今のF1層にささるプロモーションに共通しているのは以下。

<視覚的インパクトのあるプロモーション>

モノ・コトを共有したり自分をSNS上で表現する文化を持つF1層は、SNSに投稿したくなるような視覚的インパクトのあるものに興味をひかれる。目新しいデザインや意外性をついたものなど、いわゆるインスタ映えするもの。インスタ映えのための消費が特に2017年前後で活発になったが、インスタ映えのためにあちこち奔走するのに疲れ始めた女性が増えたのも事実。とは言っても、やはり視覚的インパクトがあるものは「共有したいニーズ」をくすぐるので情報が拡散されやすい。

<企業×私のコラボのプロモーション>

F1層は企業から色々と押し付けられ消費に受動的になるのは嫌いな世代。一方的に与えられるよりも、自分や自分と同世代の声を反映してくれる企業に好印象を持つ。

<友達感覚のプロモーション>

堅い雰囲気やかしこまることが苦手なF1層は、企業とも友達感覚でいたい。SNS世代であるF1層にとって、すぐに繋がれる芸能人や有名人、企業は、友達と同様にとても身近な存在だからだ。だから企業とは対等でいたい。企業と自分の間に壁を感じさせないプロモーションはF1層受けが良い。

<頑張りすぎない・自分を受容してくれるプロモーション>

「無理はしない」「自分を押し殺さない」「自分らしく」という自分主体で自然体の生き方を好むのがF1層。過剰に頑張らせるようなCMなどは敬遠される。

<アニメを活用したプロモーション>

アニメやコスプレ文化を、オタクだけのものではなく一般社会に急速に浸透させたのが今のF1層。人気アニメとコラボした商品は次々に女性の心をつかんでいる。写真映えすることから、SNS上でも話題になりやすい。

<You Tuber/V tuberを活用したプロモーション>

F1層にとって身近な存在である人気のインフルエンサーを活用したプロモーションは、芸能人より信頼できる印象も手伝い注目度は高い。アニメと同様、今後さらにプロモーションの活用事例が増えると予想される。

マスのスモール化を考慮する

多様化する女性をF1層〜F3層の3分類でとらえるのは限界があるが、ライフステージ、体の変化、消費行動で区分して捉えると、トレンドや消費傾向をつかみやすくなる。マスがスモール化していることを踏まえてトレンドを定点観測してくと、マーケティングの成功率が高まる。

F2層マーケティングの考え方

 

 

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