健康経営優良法人のメリット・認定基準・健康経営銘柄との違い(3/4)

健康経営優良法人に認定されるメリットは?

健康経営優良法人に認定されることで、経営者・従業員には具体的にどのようなメリットがあるのか?経済産業省が行った調査結果が参考になる。以下は、健康経営優良法人2017と2018に連続して認定を受けた法人に聞いた、「認定後の変化や効果」。

この結果について経産省は、健康経営優良法人の認定が、「社内での意識の高まり」「企業イメージの向上」「コミュニケーションやモチベーションの向上」「労働時間適正化や有給取得率の向上」につながったと考察している。

自社内での意識の高まり

大規模法人、中小規模法人ともに最も回答が多かったのは、「自社の健康経営の取り組みのさらなる推進」と「従業員の健康に対する意識向上」で、社内の意識が高まったことをあげている。社内全体で健康意識が高まれば健康経営への理解が進み、企業価値の向上・生産性向上へとつなげられる。従業員としては、健康づくりに理解のある社風が醸成されることで、心身の健康を壊さずに働き続けられる安心感を得られる。ワークライフバランスが整いQOLが高まるので、やる気も向上する。

企業イメージの向上

次に多かった回答が、「他社からの健康経営に関するヒアリングなどの依頼」「顧客や取引先に対する企業イメージの向上」「講演・インタビュー・新聞露出などのPRの機会の増加」で、企業イメージの向上につながる変化をあげた。働き方改革の推進により長時間労働を従業員に強いる企業やパワハラ問題が明るみに出るようになった近年、従業員やその家族が企業に寄せる目は厳しくなっている。一方で、従業員の心身の健康を一番に考える企業は、従業員や家族はもちろん取引先企業や就活生からも高く評価され、社会的評価とともにブランディングの向上につながる。

コミュニケーションやモチベーションの向上

「社内コミュニケーションの活性化」「従業員の仕事満足度・モチベーションの向上」と回答したのは、大規模法人よりも中小規模法人に多かった。健康経営への取り組みとして、社員食堂での健康メニュー提供や、従業員やその家族も含めた運動会の開催、ヨガ教室などの運動プログラムや健康関連の講座の実施、健康行動を行うとポイントが付与されるシステムの導入、仕事中の座り過ぎを防止することを目的にスタンディングテーブルを設置するなどして仕事環境の整備を進める企業が増えており、これらの取り組みが従業員内のコミュニケーション活性化に寄与している。

労働時間適正化や有給取得率の向上

「時間外労働の減少」「有給休暇取得率の向上」と回答したのは、大規模法人に多かった。近年、長時間労働が重大な病気や過労死(自殺を含む)につながる要因として問題視されていることもあり、経営者も従業員も労働時間に対する意識が高まっている。労働時間の適正化が従業員の健康状態に直接的に好影響をもたらしているとして、これを「認定後の変化・効果」と捉えている企業は多い。

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