女性ヘルスケアトレンド
女性ヘルスケアトレンド

複合施設が変える人の流れ、おにクル開業による街中の回遊行動を分析 人流ビッグデータで 大阪公立大学

大阪公立大学の加登遼准教授らの研究グループは、複合施設の開館によって、人々の街中での回遊性が高まることを確認した。研究成果は今年4月、国際学術誌『Cities』に掲載された。

人口減少や少子高齢化が進む中、郊外都市の中心市街地では、人通りや滞在時間の減少が課題となっている。こうした状況を受け、図書館や市民ホールなどの公共施設を集約した複合施設を中心部に整備し、まちのにぎわい創出につなげる取り組みが各地で進められている。一方で、施設利用者の増加だけでなく、周辺エリアの回遊や滞在行動まで活性化する効果を実証的に示した研究は限られていた。

研究では、2023年に開業した茨木市の文化・子育て複合施設「おにクル」を対象に、人流ビッグデータを用いて開業前後の人の滞在行動を分析した。その結果、おにクル周辺に滞在した人は、滞在しなかった人と比べ、中心市街地での滞在回数が週あたり約0.47回増加していた。さらに、人の滞在は「おにクル」周辺や商店街エリアに集中する一方、その効果は中心部全体に均等に広がるわけではなく、同施設周辺では、人の滞在が減少するエリアもあった。公共複合施設の開業が中心市街地内の人流を再編し、滞在行動の空間的な再配置をもたらしたことが示された。

大阪公立大学 図:おにクルの開業により市民の滞在が増加したエリア

【出典】大阪公立大学(図はおにクルの開業により市民の滞在が増加したエリア)

 

研究グループは、「公共複合施設の整備効果は、単に“施設を作れば地域が活性化する”ものではなく、立地特性や周辺の歩行環境・都市構造とのつながりによって効果の空間的な現れ方が異なることを明らかにした」とコメント。さらに、「自治体が進める公共施設の集約・複合化においては、施設配置と歩行者ネットワークを一体的に設計することが重要。今後は、おにクルの北側で予定されている第2期整備も見据え、長期的な効果検証や他エリアへの展開を進める」としている。

 

【編集部おすすめ記事】
健康を支える街づくり「パラメトリック都市デザイン」北陸先端科学技術大学院大学など
0次予防を取り入れたまちづくり、無意識にヘルスケアできる環境整備の事例
まちづくりにも「健康診断」導入、地方都市再生へ処方せん 国が伴走型支援へ
医療視点の住宅設計基準、作業療法士による「安全持続性能」を備える住宅が100棟突破
再春館製薬所×Lib Work住宅販売を開始 漢方発想の住環境「自己回復力」を引き出す家

PAGE TOP
×