「女性版骨太の方針2026」要点整理、女性の健康施策はエビデンス創出と社会実装を加速 介護との両立にも言及

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政府は先月25日、女性活躍や男女共同参画に関する重点方針「女性版骨太の方針2026」を決定した。今年は、「女性の生涯にわたる健康支援」「17の戦略分野における女性活躍」「女性が活躍でき、暮らしやすい地域づくり」の3つを重点分野に位置付けた。

女性の健康施策、変遷と2026年の特徴

女性の健康に関する施策は「女性の生涯にわたる健康支援」の中で示し、女性の健康総合センターの機能強化や更年期医療への対応、プレコンセプションケアの推進、職域健診を活用した女性の健康課題への対応強化、性差研究の推進などを盛り込んだ。女性がライフステージごとの健康課題に向き合いながら、学業や仕事、育児、介護、社会活動と両立できる環境整備を進め、健康寿命の延伸や労働生産性向上につなげる考えだ。

女性版骨太方針における健康施策は、近年、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)や性差医療、ジェンダードイノベーションなどへと対象領域を広げてきた。2026年は、バイオバンク整備や性差研究の強化、研究者の性差に対する認識向上に加え、エビデンスや費用対効果を重視したフェムテック・ヘルスケアサービスの開発支援などを通じ、研究基盤の整備から社会実装までを一体的に進める。社会実装の加速を図る姿勢を鮮明にした点が特徴だ。

<2020年代の健康施策の変遷>
2020:女性活躍を支える健康支援
2021:コロナ禍で顕在化した女性課題への対応
2022:SRHRと女性のヘルスリテラシー向上
2023:生涯にわたる健康支援の明確化
2024:性差医療とジェンダードイノベーションの推進
2025:あらゆる分野の政策・統計における性差視点の推進
2026:エビデンス創出と社会実装の加速

また今回の方針では、女性の健康課題との両立を図る対象を、従来の「仕事」「育児」に加え、「介護」にまで広げた点も特徴だ。ビジネスケアラー支援の重要性が高まる中、介護の文脈における女性活躍は、これまで主に「仕事」と「介護」の両立が課題とされてきたが、今後は「仕事」と「介護」と「健康課題」の両立を見据えた支援のあり方が問われることになりそうだ。さらに今回の方針では、これまで大企業を中心に進んできた女性の健康支援や健康経営について、自治体や経営支援機関と連携しながら、中小企業への普及・実装を後押しする姿勢も強調した。支援対象が高齢期までを含むライフコース全体へ広がるとともに、女性の健康支援が中小企業にも浸透していくことで、医療やヘルスケアサービス、健康経営のあり方にも変化がもたらされる可能性がある。

生活の質を高める上でも、また、更なる活躍の場を広げていく上でも、心身の健康を確保でき る環境の整備は重要である。健康課題には性差があることから、女性の生涯にわたる健康支援に当たっては、性差に起因する健康課題への対応を一層加速させる必要がある。また、全ての女性が、ライフステージごとの健康課題に向き合いながら、学業、仕事、育児、介護、社会活動等との両立を図り、その能力を十分に発揮できる環境を整備することが重要である。こうした取組は、 国民の健康寿命の延伸にもつながるものであり、「攻めの予防医療」の観点からも取組を強力に進めていくことが求められる(引用:女性版骨太の方針2026)。

 

このほか方針では、半導体やAIなど17の戦略分野における女性人材の育成・活躍推進や、地域における就業機会の創出、地域づくりへの女性参画拡大なども盛り込んだ。

 

女性版骨太の方針2026、女性の健康施策の要点

女性版骨太の方針2026では、研究基盤の整備から社会実装、健康経営、データ活用まで、女性の健康を取り巻く幅広い施策を盛り込んでいる。以下、健康分野に関する主な施策の要点を整理した。

女性の健康総合センターの機能強化

・女性の生涯にわたる健康課題に関する研究の推進
・女性の健康に関する科学的根拠の創出を強化
・データセンターの機能を強化し、データ収集や分析機能を充実させる

 

性差医療・性差研究基盤の強化

・血液や細胞、診療情報などを研究のために保管する仕組み「バイオバンク」の充実を進め、女性の健康や性差に関する研究開発基盤を強化
・研究者の性差に対する認識を深めるための啓発
・研究における性差考慮に関する統一的なルールの策定
・性差由来の健康・医療課題に関する研究公募枠を充実
働く女性の健康分野における医学会の指針作成を通じて明らかになった、エビデンス不足の領域の研究開発を支援
・科学的根拠に加え、費用対効果も備えたサービス開発と社会実装を後押しし、エビデンス創出との好循環を目指す

 

更年期医療・中高年女性の支援強化

・骨粗しょう症や関節リウマチなど、中高年女性の診療領域を横断したガイダンスの作成
・更年期女性の健康課題に対応できる医療機関の見える化を検討

 

若年女性の健康支援の推進

プレコンセプションケア推進5か年計画に基づくプレコンの普及啓発
・教育機関や企業での健康教育
・月経随伴症状への理解促進と、入試等での合理的配慮
・性と健康の相談支援体制の継続

 

職域における女性の健康支援

・企業と健診実施機関に対して、女性の健康課題に対応する問診の実施を働きかける
・受診者に対しては、問診結果を踏まえた情報提供や受診勧奨を推進
・メンタルヘルス対策の推進
・2025年の改正女性活躍推進法を踏まえ、職場のヘルスリテラシー向上や女性の健康支援を推進
・今年4月に始まった、女性の健康支援を行う企業を認定する「えるぼしプラス」の取得を促進

 

中小企業における健康経営支援の強化

・自治体や経営支援機関との連携を通じ、中小企業における女性の健康課題を含む健康経営を推進
・企業や経営支援機関を対象とした「女性の健康サポートデスク」を継続設置し、フェムテック活用や健康経営を支援
・健康経営優良法人認定企業へのインセンティブを拡充
・民間事業者を活用した地域課題に応じた健康経営支援を推進

 

母子保健・産後支援の充実

・母子健康手帳のデジタル化や記載内容の充実化により、妊産婦が自分の健康に目を向ける環境整備を検討
・産後ケア事業の質の向上と量の拡大

 

女性の運動・スポーツ支援の推進

・体力が低下しやすい30〜40代女性を主な対象とした運動プログラムの推進
・女性の運動の重要性に関する社会の理解増進を図る
・女性アスリートの妊産期・産後支援の取り組み推進

 

企業・保険者による健康投資の加速

・AIによる健康課題の分析や効果的な保健事業の選択肢を提示する「予防医療モデル」の高度化を進め、保険者による予防・健康づくりを支援
・保険者へのインセンティブのあり方を検討するとともに、企業と保険者が連携する「コラボヘルス」を強化

 

エビデンスに基づくヘルスケア産業の育成

・フェムテック分野を中心に、予防・健康づくりに関するエビデンス創出を支援
・科学的根拠に基づくサービス開発や社会実装を後押し

 

PHRを活用した健康データ連携の推進

・PHR(個人の健康・医療情報)を医療・薬局・介護などで共有・活用するための基盤整備と実証を推進

 

女性ヘルスケア白書2026 市場動向予測レポート

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