フェムテックブームも後押しに 「月経カップ」は国内で市民権得る?(2/3)
月経カップの認知率上昇も、利用経験者はわずか2%
月経カップ、関心高まり始めたのはいつ?
そもそも、いつ頃から月経カップユーザーが国内で登場したのか?リサーチしたところ、2008年にはすでに話題に上っている。当時の発言小町やyahoo知恵袋などの質問サイトには、月経カップの使い方に関するスレッドが立てられている。
だが当時はまだ、月経カップは “知る人ぞ知る” アイテム。関心が急速に高まったのはこの5年ほどで、特に昨年から著しい。フェムテックや月経周りのソリューションで起業する女性起業家の躍進も背景にあると言えそうだ。
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認知率、上昇
ミュゼマーケティングがF1層を対象に行った調査(2020年)によると、月経カップを知らない女性は27%で、2018年比で12%減。「使ったことはないが興味はある」は14%で、2018年比で7%増。7割の女性が月経カップを知っており、興味を示す割合も上昇していることがわかった。
経験率、2%
妊娠・出産・育児の情報サイト「ベビーカレンダー」も、月経カップに関する調査を実施している。それによると月経カップを知っている女性は66%。こちらも上記同様に半数以上の女性が知っている結果となった。
さらに月経カップの使用経験を聞いたところ、使ったことがある女性はわずか2%だった。月経カップの存在を知っている女性は増えているものの、まだまだ「ナプキン派」「タンポン派」が大多数のようだ。
月経カップを使うのはどんな女性?
先述の調査結果からもわかるように、今のところ国内の月経カップユーザーは圧倒的に少ないが、各メディアや女性起業家らによる積極的な情報発信で、ユーザー数は今後着実に伸びていくと考えられる。
では、どのような女性層がアーリーアダプターとなり得るのか?実際に月経カップを使用している女性たちの声をソーシャルリスニングし、ユーザー像を探ってみた。
<漏れを気にする女性>
- ナプキンでは漏れてしまうほど経血量が多い
- タンポンを短時間で交換しないと漏れてしまうほど経血量が多い
- 漏れで下着を汚したくない
- 閉経が近くなり経血量が増えた
- 子宮内膜症で経血量が多い
<臭い・蒸れを気にしたくない女性>
- ナプキンだと経血の臭いが気になる
- 座り仕事なので、ナプキンだと蒸れやすい
- ナプキンとタンポンの併用をしていて、臭いも蒸れも気になる
- 蒸れて肌が荒れる
<健康状態を確認したい女性>
- カップに溜まった経血の量や状態を確認したい
<お金を節約したい女性>
- ナプキンまたはタンポンの使用をやめることで、生理用品やゴミ袋の購入にかかるお金を節約したい
<時間を節約したい女性>
- ナプキンもタンポンも、つけたり・外したりに時間がかかり面倒
- ナプキンやタンポンはゴミがたくさん出る、片付けが面倒
- ナプキンやタンポンの交換のために何度もトイレに行きたくなくない、または(仕事の都合などで)行けない
<月経中であることを忘れたい女性>
- 「漏れないかな」「トイレにそろそろ行かなきゃ」と、常に生理を気にしなくてはならないことから解放されたい
- 自宅で生理を気にせず入浴したい
- 銭湯や温泉で生理を気にせず入浴したい(タンポンは漏れが気になるし、そもそも紐が付いているため自分が生理中であることを周囲に気づかれる)
- 夜中にナプキンやタンポンを交換するために起きたくない。安心して眠りたい
<環境に配慮した生活を送りたい女性>
- ゼロウェイストに取り組みたい=月経カップを使用すれば、ナプキン、タンポン、ゴミ袋などのゴミが出ないので、廃棄物を削減できる
- プラスチックフリーに貢献したい
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