死亡前1年間の医療介護費 60~80代で最も高いのは?
死亡前1年間にかかる医療費・介護費は、「60代」「70代」「80代」のうち最も高いのは80代と思う人が多いかもしれない。
なぜなら、高齢化が医療費増加の原因であると言われることが多く、高齢者にかかる医療費問題が度々政策議論となるからだ。
しかし先月公開された東京都健康長寿医療センター研究所の研究報告によると、死亡前1年間にかかった一人当たりの医療介護費の年額平均は、「85歳以上」が最も低く238万円、「65~74歳」が最も高く395万円だった。
今回の研究からは、死亡前1年間の医療介護費は「加齢」によって増加するのではなく、「死期に近づくにつれて」増加したことが明らかになった。ただ、同研究所は今回の結果について次のようにも述べている。
しかし、今回の研究は、死亡した人が死亡前に消費した医療資源を死亡時点から過去に遡って把握した分析であり、医療従事者であっても患者の死期を1年前の時点で正確に予測することは不可能です。したがってこの研究成果から、高齢者の終末期医療・介護サービスの利用を制限すれば、死亡前の医療介護費の増加が抑制できると解釈することはできません。(引用:東京都健康長寿医療センター研究所)
同研究成果は英文専門誌「Geriatrics & Gerontology International」に掲載された。
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