新型コロナに伴う、食の需要変化
日本国内も経済活動が再開しつつあるが、完全終息の目途は全くたたない。そんな中、生活者の生活行動や価値観、ニーズは短期間のうちに確実に変化しており、多くの専門家やシンクタンク、経済ニュースは「(あらゆることが)コロナ前の状態に戻ることは、もうない」と指摘する。
“withコロナ時代”では、これまでのマーケティングの常識や定説をいったんゼロベースにして女性生活者の“新たな日常”をいち早くとらえることが鍵となる。例えば、食生活に関してもこれまでとは異なる行動が見られる。レシピ動画サービス「クラシル」を運営するdely(東京・品川)が、クラシルのユーザーの行動分析をもとに食の需要変化を調査したところ以下のことが分かったという。
目次
1.朝食レシピのニーズが上昇
朝食レシピは通常は日曜日に検索が伸びるが、テレワークや休校で朝の時間に余裕ができたことや健康ニーズにより、平日の検索が上昇。「朝食」全体の検索数が1.5倍、特に安価でアレンジのしやすい「食パン」検索数は1.6倍に。
2.「お昼ご飯」「子ども」のレシピニーズが急上昇
「お昼ご飯」の検索数は2.8倍、「子供」の検索数は1.5倍に上昇。
3.外食自粛で「夜ご飯」の検索数は4倍に
「夜ご飯」の検索数が大幅に伸び平時の4倍に。 他にも「時短」や「作り置き」の検索数も上昇。
4.家飲み需要も拡大 「おつまみ」検索数が前年比 約1.7倍に
「おつまみ」の検索数が昨年比およそ1.7倍に上昇。また、昨年の同月は「おつまみ」をキーワード単体で調べるユーザーが8割で、複合検索(複数のキーワードで検索をすること)は2割以下だったが、今年3月は「おつまみ」をキーワード単体で調べる人は6割程度にとどまり、4割近くのユーザーが「アボカド おつまみ」「油揚げ おつまみ」「クリームチーズ おつまみ」などの複合的な検索をするようになったという。
検索が細分化していることから、飲食店のような「より凝ったおつまみを作りたい」「いろいろな種類のおつまみを作りたい」という、「家飲みレシピ」の需要が高まっているようだ。
当社ウーマンズが実施した調査「“withコロナ時代” の女性の日常 家ナカの行動・ニーズ・価値観はどう変化した?」でも、女性たちの食に対する明らかな変化を確認できた。例えば、これまでは忙しさから手作り料理を意識してこなかった女性がコロナを機に健康を見直し、ヘルシーな手作り料理を始めたり、あるいはその真逆の行動をとる女性もいて、食行動一つとっても多様な変化があることがわかった。引き続き、ウーマンズでも女性の食行動の変化に着目していきたい。
女性の健康食品の選択基準は?
小林製薬の紅麹サプリを巡る問題で、健康食品への不信感や動揺が消費者の間で広がっています。特に男性よりも健康意識・健康行動者率が高い女性による “健康食品の摂取控え” が懸念されることから、健康食品を普段摂取している20〜70代女性を対象に、健康食品に対するイメージの変化や、今後の摂取意向、今後の健康食品の選択基準を調査しました。女性たちのリアルな声からは、今後の健康食品の開発・販促・コミュニケーション設計のヒントを見つけることができます。詳細は「紅麹サプリ問題で、健康食品の選択基準に変化 女性消費者分析でわかった88キーワード」へ。
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