【2019】化粧品の市場規模と動向 復活の兆し見せる日本と、成長著しいアジア(3/3)

化粧品市場で今後成長が期待される分野とは?

市場拡大が期待される国内化粧品市場、特にけん引役になると考えられるキーワードは「男性向け」「高齢層の女性向け」「パーソナライズ型」「ライフステージ」「機能性重視」「インバウンド需要」「アジア市場」などだ。

男性向け

男性向け化粧品市場では新製品の発売が活発。市場調査企業などでも男性の美容に特化したマーケット調査結果を公表するなど、情報も充実してきている。

高齢層の女性向け

今後、高齢女性の人口ボリュームが大きくなることは必至だが、高齢女性に特化した化粧品はまだまだ少ない。今後、高齢女性のニーズを吸収した商品発売により、市場が拡大する余地は大きい。

パーソナライズ型

大衆に向けた製品ではなく、個別のニーズや特性に合わせたパーソナライズ製品が増えている。どこまで個別のニーズに応えられるかが市場活性化の鍵となるだろう。

ライフステージ、不調別、悩み別

一人一人のニーズに合わせるパーソナライズ商品の開発が難しくても、細かいセグメントで商品開発をする方法もある。例えば女性の更年期などライフステージに合わせた商品、あるいは月経時などの不調に合わせた商品、持病にあわせた商品、乾燥肌とオイル肌が混ざっている混合肌などの悩み別商品などは、まだまだ商品数が少なく拡大を見込める分野といえる。

機能性重視

高機能をうたった化粧品が続々登場している。シワ改善の効能効果を取得した商品や抗老化美白などの機能をうたう化粧品、さらには幹細胞コスメなど、高機能商品も話題となっている。

インバウンド需要

インバウンド需要においては日本製であることが評価されている。日本製は品質が高く、安心安全という信頼感があるからだ。SNSが利用されることが多く、SNS戦略は重要。

インバウンドや海外での需要を拡大するために重要な役割を果たすのがSNSです。中国に代表されるように、海外では日本製品に高額な税金がかけられる国も少なくありません。そのため、消費者の多くはソーシャルバイヤーと呼ばれる個人輸入代行業者を利用して日本製品を購入しています。そのソーシャルバイヤーが情報発信の手段として主に利用している媒体がSNSなのです。海外の消費者は、日本製化粧品の情報源としてSNSに注目しています。したがって、インバウンドや海外需要を取り込むためには、SNSの有効活用が不可欠です。引用:化粧品OEM開発・製造の日本ゼトック「グローバル化がすすむ化粧品業界のインバウンド戦略を企業事例から学ぶ」

アジア市場

アジア市場では、企業規模を活かしてマーケットリーダーを目指すか、あるいはニッチ市場を狙うかの二択となる。前者では大々的なプロモーションで成功したフランスのロレアルの事例、後者ではローカル企業によるハラル認証化粧品の成功事例がある。日本企業においては品質への信頼感や憧れを取り入れながら、現地のニーズに適応していくことが必須となる。

高齢化の先を行く日本市場が将来のアジア勝機に

高齢になっても働き続ける人が今後増えていく日本では、高齢女性に対するアンチエイジング対策商品の開発が活発になると予測される。そして、この高齢化に対応した市場は、日本がアジア圏でも高齢化率で先をいっているだけに、将来的にアジアの高齢化が進展した時の勝機になるといえるだろう。「80歳、90歳になっても美しくありたい」。これまでにはほんの一部の高齢女性にしかなかったニーズが、大勢の高齢女性のニーズになる、ということが「人生100年時代」を迎える日本では起こり得る。既成概念にとらわれない開発が今後も求められる。

 

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