睡眠時間の理想と平均、注目高まる睡眠関連ビジネス動向と事例(4/5)
睡眠関連ビジネス市場の動向とビジネス事例
睡眠に対する生活者ニーズは「質の高い睡眠を得たい」「自分に必要な睡眠時間を知りたい」があり、睡眠をキーワードにした商品・サービスは2つに大別される。
- 質の高い睡眠を得たい
⇒寝具、アロマ、音楽、照明などの睡眠環境やサプリメントなどの食品で睡眠の質を高める - 自分に必要な睡眠時間を知りたい
⇒最新テクノロジーやウェアラブルで自分の睡眠状態をトラッキング(追跡)し、自分に必要な睡眠時間や睡眠の質を分析・記録する
睡眠関連ビジネス市場の動向
「睡眠関連ビジネス市場」の内容と業種は多岐にわたる。矢野経済研究所が発表した「2018年度版 睡眠関連ビジネス市場の現状と方向性」には、睡眠関連市場として以下項目を並べている。
(1)機能性寝具類(ベッド関連、枕)
(2)睡眠関連サプリメント(機能性食品「睡眠の質の向上」)
(3)医薬品(主に睡眠改善薬)
(4)睡眠時無呼吸症候群(SAS)関連(CPAP機器を中心として)
(5)睡眠計測器
(6)その他(照明器具、ホテル)
(引用:矢野経済研究所「2018年度版 睡眠関連ビジネス市場の現状と方向性」)
また同資料では、睡眠ビジネス参入企業として以下の企業を取り上げている。
- 味の素
- エアウィーヴ
- エスエス製薬
- オムロンヘルレスケア
- シモンズ
- スリープウェル
- スリープセレクト
- セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ
- 太陽化学
- 帝人ファーマ
- 帝人
- テンピユール・シーリー・ジャパン
- ドリームベッド
- 西川産業
- 西川リビング
- パラマウントベッド
- フィリップス・レスピロニクス
- フランスベッドホールディングス
- レイコップ・ジャパン
(引用:矢野経済研究所「2018年度版 睡眠関連ビジネス市場の現状と方向性」)
上記からは、寝具関連企業だけでなく食品、製薬、繊維、電気機器メーカーなど、さまざまな業種が睡眠ビジネスへ参入していることが確認できる。また上記には含まれていないが、フィットネス&スポーツクラブ、エステ&マッサージ、ホテル、入浴施設、カフェ、インテリア&家具、メガネといった多様な業種からの睡眠ビジネスへの参入もここ数年で相次いでいる。
7000億円近い市場(矢野経済研究所調べ)を持つ枕やベッドなどの寝具だけでなく、機能性表示食品、空調、防音、照明、リラックスできるBGM、安眠できる衣料やサプリメント、アロマ、化粧品、入浴剤、ヨガ、健康器具、エステ、マッサージ、健康管理サービス、睡眠カウンセリング、お昼寝カフェなどもすべて含まれる。 (引用:ビジネス+IT「スリープテックがいよいよ本格化、「眠れない日本人」を救うか」)
市場規模については正確な調査資料が存在しないが、ビジネス+IT「スリープテックがいよいよ本格化、「眠れない日本人」を救うか」では以下のように推測している。
「睡眠ビジネス」の国内市場規模は寝具新聞社の2016年の調査によると1兆2359億円にのぼり、潜在市場は3兆円とも5兆円ともいわれている。少なく見積もっても1兆円以上の巨大市場である。(引用:ビジネス+IT「スリープテックがいよいよ本格化、「眠れない日本人」を救うか」)
2018年5月2日の朝日新聞デジタル版記事「睡眠負債を防げ 1兆円規模?高級寝具・専門書が人気」においても「睡眠ビジネス市場はすでに一兆円以上と試算され、さらに広がる勢い」と報じている。