睡眠時間の理想と平均、注目高まる睡眠関連ビジネス動向と事例(5/5)
睡眠をサポートするビジネス
スリープテック 〜アプリ編〜
睡眠ビジネスの中でも活況を呈しているのが「スリープテック」。睡眠(スリープ)とIT技術(テクノロジー)を活用し、睡眠状態を計測、記録、分析し、睡眠の質の改善を促しサポートする製品やアプリなどのことを「スリープテック」という。具体的にはどのような製品があるのか。メジャーなものではアップルウォッチなどに搭載できるアプリがある。iPhoneやAndroidoの人気アプリを検索できるサイト「Appliv」内の「睡眠の質を改善するアプリランキングTOP10」では以下アプリが高評価を得ている。
スリープテック 〜家電編〜
家電量販店ビックカメラでは、特集コンテンツ「スリープテック〜快適な睡眠を〜」で「目につけるタイプ(アイピローやアイマスクタイプ)」「耳につけるタイプ」「目覚まし型タイプ」「枕に置くタイプ」「指につけるタイプ」を紹介し、オンラインからも購入可。
他に「5分で快眠」をキーワードに、聴覚・嗅覚・視覚を刺激して快眠へ導くデバイス「Sleepion3」も。
スマホの簡単操作で、設定した時間に自動でカーテンを開閉し質の高い睡眠をサポートする「めざましカーテン mornin+」なども注目商品。
睡眠コンセプト型サービス
ヨガ、ホテル、リラクゼーションサロンなど既存サービスのコンセプトを「睡眠」に策定することで、新たな顧客獲得につなげている事例も増えている。
睡眠ビジネス例
睡眠関連資格
睡眠関連の資格も登場。
- 安眠インストラクター
安らかにぐっすり眠るサポートを行い、快適な眠りを教える。資格取得後講師活動が行える - 睡眠健康指導士
正しい睡眠知識を社会の人々に伝え、国民の健康増進に寄与できる人材を養成 - 睡眠検定
入門、3級、2級、1級と段階があり入門は無料、3級からは有料。オンラインでのみ受験できる検定 - 睡眠コンサルタント
スマホで学び、試験もオンラインで受験。約1か月の勉強で「睡眠のプロ」を目指す - 睡眠改善インストラクター(睡眠改善指導者初級)
睡眠に関する正しい環境と生活習慣をアドバイスする「睡眠改善指導者」。3日の講座を受けて最終日に認定試験を行う - スリープアドバイザー
西川が「西川 日本睡眠科学研究所」の理論をもとに、「睡眠習慣」「寝室環境」「寝具」などの立場から快眠のための知識やアドバイスができる人材育成のために作った資格試験。受験者は西川の従業員、及び商品を取り扱うショップ店員など。主に寝具全般の提案の知識が身につく - スリープマスター
スリープアドバイザーの上級試験で、寝具だけでなく睡眠に関する幅広い知識を有することで寝具以外の睡眠に関する悩みにも対応できるようになる
「ナップ(仮眠)」でさえ「できる人」のイメージに
「睡眠不足は酩酊状態と同じ」「睡眠負債が体を蝕む」といった、睡眠不足に対するネガティブな情報が多く報道される中、睡眠をおろそかにする人︎=自己管理のできない人、という印象が広がり始めている。睡眠を見直し睡眠の効果を体感することで、疲労回復や病気予防・改善、エイジング対策など、得られる効果は大きい。ナップ(仮眠)を導入する企業も増え、「よく休む人」=「怠けている人」ではなく「できる人」の印象に変わりつつある。「睡眠を管理し、コントロールする」新たな価値観ははじまったばかり。「睡眠関連ビジネス」からはまだまだヒットが生まれそうだ。
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