科学的介護とは?2020年の実現に向けた官民の取り組み(3/4)

2.“見守るエアコン”で科学的介護(パナソニック)

パナソニックは、超高齢社会の日本において介護現場の厳しい現状とQOLの向上を求める時勢を受け、「エアコンみまもりサービス」と呼称されるIoTとAIを使った新しい科学的介護サービスを発案。高齢者や介護施設に向けて提案されたそのサービスでは、施設職員の負担を軽減し重大な症状の早期発見や入居者一人一人に合わせたQOLの向上が可能となる。特徴は以下。

  • 介護スタッフの負担軽減
    センサーが室内の状態や入居者をモニタリング。施設職員は訪室せずともPC画面で全室の状態を一目で把握することができる。異常が起きた場合のみ限定的に訪室することが可能となり、夜間業務の効率化を目指すことができる
  • センサーを使った介護サービス
    エアコン本体のセンサーで部屋の温度や湿度を確認し、急激な気温の変化に合わせて遠隔操作で対応することができる。また同様に備え付けられた高精度のルームセンサーで入居者の生活リズムや睡眠状態までを正確に感知することができるため、認知症に見られる不眠や昼夜逆転の傾向も早期発見が可能
  • プライバシーの尊重
    センサーのみでカメラの無いみまもりサービスであるため、入居者のプライバシーを守りながらその状態をしっかりと把握することができる

導入前、導入後でどのような変化があったのか?同社は「IoT/AIを活用した 科学的介護の実践報告」との中で以下の事例を紹介している。

事例1:自立支援に繋がったケース

  • 【導入前】
    1日2食で運動もせず、重度の便秘に悩まされていた入居者
  • 【導入後】
    夜間にほぼ覚醒しており昼夜逆転が起こっていたことが判明
    ・デイサービスの利用を開始し自発的な運動を実施するようになった
    ・睡眠時間が週に+7時間改善
    ・便秘も解消され、1日3食を食べられるようになった

事例2:施設職員の負担軽減に繋がったケース

  • 【導入前】
    17室全室を2時間ごと計5回巡視し、訪室とその記録だけで1日219分費やしていた
  • 【導入後】
    睡眠リズムの見える化により訪室が必要な部屋と必要な頻度を把握し、夜間巡視を適正化
    ・訪室は5室のみ、回数も2回に減少
    ・残りの12室はみまもりシステムのみでの安否確認に切り替わった
    ・訪室とその記録、システムでの安否確認を含め費やす時間が101分に削減された
    ・訪室以外も含めた夜間業務の効率化が行われた

女性生活者の調査レポート