睡眠時間の理想と平均、注目高まる睡眠関連ビジネス動向と事例(2/5)

不眠症は国民病

「眠ろうとしているのに眠れない」「寝つきが悪い」「睡眠中に何度も目が覚める」といった「不眠症」や「睡眠障害」に悩む人は多い。厚生労働省は日本人の5人に1人が睡眠に問題を抱えているとしている。

日本人を対象にした調査によれば、5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」、「何らかの不眠がある」と回答しています。加齢とともに不眠は増加します。60歳以上の方では約3人に一人が睡眠問題で悩んでいます。そのため通院している方の20人に1人が不眠のため睡眠薬を服用しています。引用:e-ヘルスネット「不眠症」

理想の睡眠時間の考え方

最適な睡眠時間には個人差があり、年齢や季節などの条件によっても変化する。一般的には8時間睡眠が理想とされるが、日中に眠気で困ることがなければ十分な睡眠が確保できていると言われている。また加齢とともに睡眠時間は短くなる傾向があるので、高齢者が眠れないことを深刻に捉える必要はなく、むしろ高齢者にとって「8時間睡眠」は長すぎるとされる。厚生労働省では睡眠時間について次のようにアドバイスしている。

睡眠時間には個人差があります。日本人の睡眠時間は平均して7時間程度ですが、3時間ほどの睡眠で間に合っている人もいれば、10時間ほど眠らないと寝足りない人までさまざまです。また健康な人でも年齢とともに中途覚醒や早朝覚醒が増えてきます。「若い頃はもっと眠れたのに」は禁物です。最初にも書きましたが、不眠症は不眠そのものだけではなく「日中に不調が出現する」ことが問題なのです。眠りが浅く感じられても昼間の生活に支障がなければ不眠症とは診断されません。睡眠時間が短いことや目覚め回数にこだわりすぎないことが大事です。引用:e-ヘルスネット「不眠症」

睡眠時間と睡眠の質

睡眠にはリズムがある。最初に眠りについたあたりから眠りは急速に深くなり、この「深い眠り」と「浅い眠り」を約90分のサイクルで4〜5回繰り返す。朝い眠りは「レム睡眠」と呼ばれ、脳が活発に活動するので夢を見ていることが多い。またレム睡眠以外の睡眠は「ノンレム睡眠」と呼ばれ、成長ホルモンの分泌や免疫増強作用などを担っている。特に最初の「ノンレム睡眠」が一番熟睡でき、睡眠の質の鍵や疲労回復の要となっているとされる。

個人差があるので一概には言えませんが、ノンレム睡眠(90分)とレム睡眠(90分)のサイクルを4回、つまり約6時間の睡眠で十分といわれています。また、脳は眠りはじめの3時間で必要な休息のほとんどをとるので、3時間でよいという人もいます。(引用:日本医師会「レム睡眠とノンレム睡眠」)

一方、睡眠の質で睡眠の量をカバーすることはできないという説もある。27万部の大ヒットとなった、2017年3月に出版された「スタンフォード式 最高の睡眠」では、最初のノンレム睡眠=黄金の90分の大切さを訴えると同時に、著者の西野精治氏はインタビューで「睡眠の質で睡眠の量をカバーすることはできない」ことに触れている。

最初の90分の質を高めれば、すっきりした朝を迎えられるうえに、昼間の眠気も軽減します。 “しっかり寝たはずなのに、疲れがとれない”ということもなくなるのです。忙しくて寝る時間がない人ほど、絶対に90分の質を下げてはいけないともいえます。それほど”黄金の90分”は睡眠に欠かせない最大基礎なのです。ただし、「黄金の90分」の質がよければ睡眠時間は2〜3時間でいいというわけではありません。睡眠時間は最低でも6時間以上はとることが大切。「6時間」を確保して「黄金の90分」に深く眠るのが、質の高い睡眠にするコツです。(引用:世界睡眠会議「睡眠の質の上げ方を知って、日中のパフォーマンスをアップ!」

スタンフォード式 最高の睡眠

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