健康寿命とは?長生きしたくない人たちの理由(3/3)

健康寿命延伸に向けた取り組み

医療費削減や国民一人一人の健康寿命延伸に向け、現在、国が中心となって様々な取り組みが進められている。

スマート・ライフ・プロジェクト

スマート・ライフ・プロジェクトとは、「健康寿命をのばそう!」をスローガンに、人生の最後まで元気で健康で楽しく毎日が送れることを目標とした国民運動で、「運動」「食生活」「禁煙」の3分野を中心に、具体的なアクションの呼びかけを、プロジェクトに参画する企業・団体・自治体と協力・連携をしながら推進する、厚生労働省によるプロジェクト。

このプロジェクトの一環として平成24年に始まったのが、生活習慣病予防の啓発活動の奨励・普及を図ることを目的とした表彰制度「健康寿命をのばそう!アワード」。第6回目を迎えた今年は、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険、ユニー、大分県など、企業や自治体などが受賞した。

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健康寿命延伸産業の創出

経済産業省では、「健康寿命延伸産業」の創出に向け、「健康寿命延伸産業創出推進事業(健康経営普及推進・環境整備等事業)」を実施する事業者の費用を補助、サポートしている。今年は次の6テーマに沿った実証事業を募集、10件の応募者が採択候補先として選定された。

  • 地域における現役世代(特に健診未受診者)の健康作り対策
  • 定年退職後の人生に備えたセカンドライフ対策
  • アクティブシニアに対するフレイル(虚弱)対策
  • 健康不安のある高齢者への在宅療養向け健康医療・生活支援対策
  • 人生の最終段階において心残りなく生ききるためのサービス創出
  • その他、上記のテーマには該当しないものや、該当テーマを1つに限定しにくいものであっても、健康寿命の延伸や地域包括ケアシステム構築における課題解決に資するもので、社会的な波及効果が期待される事業

都道府県の取り組み

各都道府県では、健康日本21(第2次)に基づき、住民の健康増進の推進に関する施策についての基本的な計画として「都道府県健康増進計画」を立てている。健康日本21(第2次)では、生活習慣病や身体活動、口腔の健康など各種健康に関する目標を立てており、その中の一つに健康寿命の延伸と都道府県間の健康格差の縮小を掲げている。

各地域の健康問題を反映した内容が盛り込まれているので、都道府県によって力を入れている項目は異なる。特に注目したいのは平均寿命が男女ともに1位の長寿県、長野県。「長生き」を実現した長野県は今後の目指すべき姿を「健康で長生き」とし、「『健康長寿』世界一を目指して」をスローガンに掲げ各項目で長野県独自の健康目標を立てている。

企業の取り組み

各企業も、健康寿命をキーワードにした商品やサービスを展開している。高齢化が急速に進み、さらに人生100年時代と言われる今、健康寿命の重要性はますます高まっていく。「長生き不安」を抱える生活者たちの健康寿命延伸ニーズに応える商品・サービスの登場が強く望まれる。

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