女性の美容悩み 年代別まとめ(20〜80代)(3/3)

年代別に見る加齢意識(20代〜70代)

20歳~74歳の女性対象の調査「女性の加齢意識と生活スタイルに関する調査(ワコール)」では「加齢に対する考え方」に20代と60代には違いがあると述べている。20代はありのまま(自然体)が良いと思いつつ、自分の老いていく姿に恐怖心を感じているが、40代以上になると年相応の老いを受け入れ始め、60代には若さの維持や見た目の若さに執着しなくなる人が多い。

また「年をとることのイメージ」では、20~30代では、見た目の「シミ・しわ」のほか、「熟練・成熟」というポジティブなイメージがある。一方40~50代は更年期や体調不良、親の介護といった身近に起こる不安感から「入院・介護」「女性としての自信低下」といったネガティブなイメージが増える。だが60代以上になると「健康食品」「ゆとり」「悠々自適」といったポジティブイメージに再び戻る。

40~50代女性は一時的に美容や健康、人生全般などに対してネガティブ思考が強まるのに対し、60代を迎える頃には思考がポジティブに転換するのは、他複数の調査でも明らかになっている。60代を迎えるころには、さまざまなことに対して「抗うのではなく、ポジティブに受容する」という意識変化が起こることや、子の独立・結婚、自身・夫の退職などで精神的・時間的ゆとりができ自分時間が増えることや、孫の誕生といった嬉しい出来事が起きることなどが関係している。

年代別に見るおしゃれの悩み(20代〜70代)

朝日新聞社「Reライフプロジェクト」が、20代〜70代の女性442名を対象に行った美容アンケートでは「美容やオシャレという視点で気になっている悩み」について調査。他の調査同様、高齢化するほどシミ・しわ・たるみといった肌悩みが増えているが、同調査では更に首のしわ、手の張り、視力低下によって化粧がうまく出来ないといった悩みも見られる。

また白髪の悩みは40〜60代に多く、70代になると悩む人が減っている。これは白髪を受け入れたヘアスタイルに変化するからだろう。さらに40〜50代は体型の変化によって似合う服がないと悩む人が多い。これら悩みの対策として「食生活に気をつける」「サプリメントの摂取をする」が挙がっている。反対に即効性のある注射や美容手術には若い世代の興味が高かった。

美容消費と経済状況の関係

美容意識・美容消費は、一般的には加齢とともに減少し、その分、健康意識が高まり健康消費が活発になる。しかし富裕層については当てはまらず、富裕層の場合は70代80代になっても、美容意識が高く、美容消費が活発であることが当社実施の調査「20~70代各世代の女性は、なぜその健康食品を購入した?」で明らかになっている。特に高齢層の美容意識・消費の高低に関しては、年齢と経済状況のセットで考えたい。

「選択肢がない」と不満を漏らす高齢女性

今回の調査から、美容の悩みは10代の「見た目重視」によって生じる肌や外見の悩みから始まり、加齢とともにエイジングに関わる悩みへとシフトし、それは70代になっても続くことが明らかとなった。ただ8割ほどの高齢女性は、若い状態をずっと維持したいのではなく、実年齢よりも5〜10歳ほど若く見られるケアで良いと考えている。そのために、食生活の改善や運動など健康的な生活、セルフケアを重視している。以前とは異なり、元気で積極的に活動し、日頃の生活でもメイクを欠かさずキレイでいることを意識する高齢女性が増えた一方で、高齢女性向けの美容商品・サービスはまだまだ少なく、「選択肢がない」と不満をもらす。高齢女性ならではの美容悩みを解決する商品・サービスの充実化が待たれる。

 

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