女性の健康問題、一覧(思春期~老年期)(4/5)

更年期(45〜55歳)の健康問題

更年期の女性ホルモン

更年期にあたる45〜55歳はエストロゲンの分泌が急激に減少する時期で、やがて閉経をむかえる。日本人女性の平均閉経年齢は50.54歳(日本女性医学学会)で、この前後5年間(計10年間)が更年期と呼ばれている。

閉経時期は初経と同様に個人差があり、40代前半でむかえる女性もいれば、50代後半〜60代前半という女性も。12ヶ月以上の無月経が続くと閉経と判定される。

更年期はエストロゲンの分泌が急激に減少することで、心身に様々な症状をもたらす。これらを「更年期症状」と呼び、その症状が重く日常生活に支障をきたす場合は「更年期障害」と言う(日本産科婦人科学会による定義)。

症状の有無や度合いは個人差が大きく、理由は、更年期症状の原因がエストロゲンの減少だけによるものではないため。更年期女性にエストロゲンを補充しても必ずしも症状が軽快するわけではないケースがあることから、更年期症状は他の要因も関係していることが知られている。更年期症状の要因には以下3つが指摘されている。

  • 【内分泌学的要因】エストロゲンの減少
  • 【社会的要因】人間関係や仕事などの悩み(親の介護、夫との関係、子どもの進路や独立、義親との関係など)
  • 【心理的要因】真面目、几帳面、完璧主義

更年期の健康問題

45歳〜55歳における最大の健康問題は更年期症状だが、「更年期だから仕方ない」「年齢的なもの」と症状を我慢して放置している女性は多い。

生活に支障をきたすほどであったり、更年期症状以外の重い病気を心配して医療機関を受診する女性もいるが、専門外の医師の場合は更年期の概念が抜け落ちていることもあり、結果的に、原因や解決法がわからないまま様々な診療科を回る羽目になり“病院ジプシー”となる女性もいる。

更年期症状を改善する商品やサービスが市場で不十分であることも、この時期の女性たちのQOL低下を強めている。自身の健康問題に頭を悩まされるのに加え、親の介護問題や将来の経済不安も重なり、生涯の中で体も心も最も負担がかかる時期

更年期(45〜55歳)の健康問題
更年期症状 更年期女性の特徴的な症状は以下(発現頻度の高い順)。

1.肩こり
2.疲れやすい
3.頭痛
4.のぼせ(ホットフラッシュ)
5.腰痛
6.汗をかく
7.不眠
8.イライラ
9.皮膚掻痒感
10.動悸
11.気分がしずむ
12.めまい
13.胃もたれ
14.膣乾燥感
(参考:日本女性医学学会,「女性医学ガイドブック更年期医療編」)

生活習慣病 閉経後はそれまで女性ホルモンで維持されていた健康力が低下するため、50代以降で高血圧、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化など生活習慣病のリスクが高まる。
乳がん

 

乳がんは女性の全がんの中で罹患率が最も高い。30代から増えピークは40代後半〜50代前半、その後は減少していく。(参考:国立がん研究センターがん情報サービス(参考:ウーマンズラボ「乳がん罹患率(年齢別)
子宮体がん 子宮体がんの罹患は40歳ごろから増え、ピークは50〜60代。出産経験がないこと、閉経が遅いこと、肥満、糖尿病などが罹患リスクになる。(参考:国立がん研究センターがん情報サービス
卵巣がん 卵巣がんの罹患は40歳ごろから増え、ピークは50〜60代前半で、その後は減少していく。排卵回数が多いことがリスクになると考えられているため、妊娠・出産経験がないこと、初経が早く閉経が遅いことが罹患リスクとなる可能性がある。
関節リウマチ 女性に多い病気で(男性の約5倍)、特に40〜50代に多い。平均発症年齢は50.1歳(2015年)。罹患するとADL(日常生活動作)が低下し、仕事を続けたくても身体的苦痛を感じ休職・退職をする人が多い。QOLが大幅に低下するため精神的苦痛も大きい。(参考:厚生科学審議回疾病対策部会リウマチ等対策委員「リウマチ等対策委員会報告書(案)」平成30年,日本リウマチ友の会「2015年リウマチ白書」
橋本病 甲状腺に慢性的に炎症が起こる病気で、女性に多い(男性の20〜30倍)。特に30〜40代が多い。進行して甲状腺機能低下症になると、不妊、流産、妊娠高血圧症候群などのリスクになる。(参考:国立成育医療研究センター
うつ病 女性のうつ病患者数は男性の約2倍。全年代の中で最も多いのは40代で、さらに細かく見ると40代前半より後半に多い。「母親としての役割」「妻としての役割」「子としての役割」「仕事での役割」など、様々な顔を持って生活していく精神的負担に加えて、更年期症状により心が不安定になっていることが影響していると考えられる。(参考:ウーマンズラボ「うつ病の男女比・年代別患者数」)
睡眠不足 20〜70代以上の全年代の男女の中で平均睡眠時間が最も短いのは「50代女性」で、6時間未満が54%。6時間未満の割合が50%を超えているのは、男女合わせ唯一50代女性のみ。更年期症状の一つである不眠の影響が要因として考えられるが、アラフィフクライシスによる様々な悩みも影響しているのでは。(参考:厚生労働省「平成30年 国民健康・栄養調査」)
飲酒過多 生活習慣病のリスクを高めるほどの量を飲酒している女性の割合は、全年代の中で40代と50代が高い。様々な肉体的・精神的負担からくるストレス解消として飲酒量が多いと考えられる。
(参考:厚生労働省「平成30年 国民健康・栄養調査」)
アラフィフクライシス アラフィフクライシスとは、アラフィフ女性がこの年代特有の様々な問題に直面することで心のバランスが崩れる危機のこと。更年期症状に加え、子どもの進路・独立、親・義親の介護、老後の経済不安、夫や自分の健康不安、エイジングサインが顕著になることで感じる美容不安など、様々な問題が一気に降りかかる。

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