女性の健康問題、一覧(思春期~老年期)(5/5)

老年期(55歳以上)の健康問題

老年期の女性ホルモン

更年期の10年間でエストロゲンが急激に減少した後の時期で、生涯を終えるまでエストロゲンが乏しい状態が続く。それまではエストロゲンによって維持できていた健康力が失われるため、様々な健康問題が出現する。

老年期(55歳以上)の健康問題

加齢に加えてエストロゲンの分泌が乏しくなるため、体力や健康力の衰えを実感する時期。また、自身や夫の退職、自身や親近者や同世代の友人の病気・死別、子どもの独立などネガティブなライフイベントが重なる時期で、心の不調も抱えやすいため、老年期においてはQOL向上も重視する必要がある。

女性は男性よりも長生きをするものの、平均寿命と健康寿命の差(※)は12年間と長い。それを目前に控え積極的に健康行動を起こす女性が多いのも、この年代の特徴。心身の充実したセカンドライフを送るために、体・心、両方の健康力を高めるニーズが高い。

老年期(55歳以上)の健康問題
更年期症状 更年期女性の特徴的な症状は以下(発現頻度の高い順)。
1.肩こり
2.疲れやすい
3.頭痛
4.のぼせ(ホットフラッシュ)
5.腰痛
6.汗をかく
7.不眠
8.イライラ
9.皮膚掻痒感(ひふそうようかん)
10.動悸
11.気分がしずむ
12.めまい
13.胃もたれ
14.膣乾燥感
(参考:日本女性医学学会,「女性医学ガイドブック更年期医療編」)
子宮下垂・子宮脱 子宮が正常の位置より下がっている状態が子宮下垂。さらに下がって膣の外まで下がり脱出していると子宮脱。子宮下垂・子宮脱のある女性のうち9割は出産経験者で、閉経後から増えピークは60歳代。(参考:日本女性心身医学会
萎縮生膣炎 更年期以降、女性ホルモンの減少により膣が萎縮して分泌物が減る。それにより膣壁が出血しやすくなったり、膣の自浄作用が弱まり膣炎が起きやすくなる。(引用:日本女性医学学会「女性医学ガイドブック更年期医療編」)
生活習慣病 閉経後はそれまで女性ホルモンで維持されていた健康力が低下するため、50代以降で高血圧、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化など生活習慣病のリスクが高まる。
骨粗鬆症 男性よりも女性に多い。閉経を堺に女性ホルモンの減少により骨密度が急激に低下するため、特に50代後半以上で増える。骨粗鬆症が進行すると背骨の圧迫骨折により背中や腰が曲がる他、股関節の骨折などで要介護の寝たきりにもなる。介護が必要になった理由に関する調査では、要介護4、要介護5、ともにその理由第3位は「骨折・転倒」。(参考:ウーマンズラボ「介護が必要になった主な原因 要介護度別トップ3」
ロコモティブシンドローム 加齢による筋力低下や、骨粗鬆症による運動器の機能の衰えにより、要介護や寝たきりになったり、そのリスクが高い状態がロコモティブシンドローム。特に女性は、閉経後以降で骨粗鬆症のリスクが上がるため注意が必要。(参考:日本整形外科学会
肥満 女性の肥満者の割合は40代以降で高くなるが、特に顕著になるのは60代以上。(参考:厚生労働省「平成30年 国民健康・栄養調査」
子宮体がん 子宮体がんの罹患は40歳ごろから増え、ピークは50〜60代。出産経験がないこと、閉経が遅いこと、肥満、糖尿病などが罹患リスクになる。(参考:国立がん研究センターがん情報サービス
卵巣がん 卵巣がんの罹患は40歳ごろから増え、ピークは50〜60代前半で、その後は減少していく。排卵回数が多いことがリスクになると考えられているため、妊娠・出産経験がないこと、初経が早く閉経が遅いことが罹患リスクとなる可能性がある。
うつ病 女性の全年代の中でうつ病が最も多いのは40代で、次に多いのが60代と70代。うつ病はもともと男性よりも女性に多いが、特にその男女差が顕著になるが60代以上で、この年代のうつ病は圧倒的に女性が多い。働き盛りの若い世代のうつ病と老齢期のうつ病は分けて考える必要があり、老齢期のうつ病の原因は、老齢期特有のライフイベントと慢性的なストレス。ライフイベントの例は、夫や親など近親者との死別、自分や身近な人が病気などで生命の危機にさらされること、施設入所や子どもとの同居に伴う転居などで住み慣れた家・地域を離れること、経済危機など。慢性的なストレスは、健康減退、行動力低下、退職などによる社会的役割の低下、家族の介護、社会的孤立、同居家族との問題など。(参考:ウーマンズラボ「うつ病の男女比・年代別患者数」)
睡眠不足 20〜70代以上の全年代の男女の中で平均睡眠時間が最も短いのは「50代女性」で、6時間未満が54%。6時間未満の割合が50%を超えているのは、男女合わせ唯一50代女性のみ。更年期症状の一つである不眠の影響が要因として考えられるが、アラフィフクライシスによる様々な悩みも影響しているのでは。(参考:厚生労働省「平成30年 国民健康・栄養調査」)
飲酒過多 生活習慣病のリスクを高めるほどの量を飲酒している女性の割合は、全年代の中で40代と50代が高い。様々な肉体的・精神的負担からくるストレス解消として飲酒量が多いと考えられる。(参考:厚生労働省「平成30年 国民健康・栄養調査」)
食塩摂取過多 50代以上の女性は女性の中でも特に健康意識が高く、野菜摂取量が他年代と比べて多いが、一方で、食塩摂取量が他年代と比べて多いのが課題。日本高血圧学会が目標に設定している女性の1日の食塩摂取量は6g未満だが、50代以上の摂取量は9gを超えている。(参考:厚生労働省「平成30年 国民健康・栄養調査」)
低栄養 女性は男性よりも低栄養の傾向が見られ、特に85歳以上でその割合が高い。(参考:厚生労働省「平成30年 国民健康・栄養調査」)
加齢に伴う歩数の減少 1日の歩数が減少するのは60代以降。20代〜50代は平均歩数が6,000歩台だが、60代は5,000歩台、70代以上は4,000歩台と少なくなる。歩数減少として考えられるのは、仕事の有無など外出機会が減ることや、身体的不調や病気により歩行が困難になることなど。なお、健康日本21(第2次)の目標で定めている女性の1日の歩数は、20〜64歳は8,500歩、65歳以上は6,000歩。(参考:厚生労働省「平成29年 国民健康・栄養調査」)
オーラルフレイル 60代以上で口腔機能の低下が顕著になる。「何でもかんで食べることができる者と、20本以上の歯がある者」は、60代から大きく減少する。20本以上の歯がある者は、20〜40代は95%前後、50代は86%、60代は76%、70代は68%、80歳以上は55%。(参考:厚生労働省「平成29年 国民健康・栄養調査」)
認知症 認知症有病率は70代までは男女差は見られないが、加齢とともに差が開き80代以降で顕著になる。90代男性の有病率は42%に対し女性は71%。(参考:厚生労働省老健局「認知症施策の総合的な推進について」

 

 

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