ミレニアル世代女子のマーケティング・特徴・消費行動(2/3)

ミレニアル世代の特徴

デジタルネイティブ世代

ミレニアル世代は小さい頃、あるいは学生時代から携帯やインターネットに慣れ親しんできたデジタルネイティブ世代。SNSでコミュニケーションや情報収集を行い、スマホであらゆるタスクをこなす(情報収集、口コミのチェック、買い物、アプリで勉強、体調管理など)。情報に対して完全に受動的な姿勢をとるだけではなく、能動的に自ら情報を発信する側にもなることが特徴。実際にインターネットの情報を最も重視する傾向があるのはミレニアル世代以降、という調査結果もある。

総務省が発表する「2018年版情報通信白書」からは、ミレニアル世代のデジタル利用に関する特徴が見えてくる。情報リテラシーに優れSNSでの繋がりを好む彼らにとってインターネットが最大の情報源。日常生活に密着したデジタルネイティブらしい利用方法が特徴的だ。

  • インターネット利用者は20代が98.7%、30代が97.8%を記録。「ミレニアル世代=インターネット利用者」とも捉えることができる
  • ミレニアル世代のインターネット利用端末は「スマートフォン」が圧倒的。20代は94.8%、30代は92.5%と全世代のなかでも9割を越えるのは20代・30代のみ。「パソコン」は7割
  • ミレニアル世代がインターネットで利用する機能やサービスは、他の世代に比べて「ソーシャルネットワーキングサービス」の利用率が高い。また20代では「無料通話アプリやボイスチャットの利用」も多く、通信手段としての要素が強いことがわかる

ミレニアル世代の親世代の特徴

ミレニアル世代の親は、幼少期〜大人になる中で高度経済成長とバブル経済を通過している世代で、物質的に豊かになった人たち。主に団塊世代から新人類世代が当てはまる。

団塊世代:1947年〜1951年生まれ

戦争と無縁で生まれた最初の世代。同世代の数が多く、生まれてから競争のなかで生きてきたため競争意識が強い。急速に普及したテレビによって欧米文化に触れ、音楽やファッションといった各方面で若者文化が誕生する。女性のほとんどは専業主婦となり、いまでは当たり前となった「(洗剤などの)詰め替え」の製造を提唱したり、シンプルな暮らしを提案する「無印商品」を支持するなど、家庭内から消費の革新を行っていった。

ポパイ・JJ世代:1952年から1960年生まれ

この世代が若い時に創刊された人気雑誌「ポパイ」「JJ」から命名されたのがポパイ・JJ世代。1950年代までは1割だった大学進学率が4割に上昇し、女性の社会進出が始まる。日清カップヌードルの発売やセブンイレブン1号店の登場など手軽で便利な消費文化も登場。競争社会を生きた団塊世代への反動から「人生はエンジョイするもの」という考え方が強い。

新人類世代:1961年から1970年生まれ

「男女雇用機会均等法」が施行され「女性の社会進出」が本格的に進む。中高生の頃にはすでにウォークマンを手にしており、流行に敏感で消費を楽しむ傾向が強い。バブル期には「ヤングサラリーマン」として消費をリードしていった。

ミレニアル世代の価値観

従来の「男性像」「女性像」から解き放たれたミレニアル世代は、結婚や出産のライフイベントに対する考え方にも多様性が見られる。あえて結婚をしない女性や、結婚しても子供を持たない夫婦、晩産は珍しくなくなった。また人生100年時代が到来し、生き方・働き方も変化。不安定な社会保障だけを拠り所とせず、自力で不安を解消しようとする姿勢が見受けられる。

結婚・出産・育児観

恋愛・結婚を人生のゴールにしておらず、執着していない。恋愛離れの理由は長引く不景気による経済不安や、情報社会によってもたらされた“常につながっている人間関係”への疲弊などさまざま。結婚、出産を経てからも自身のライフスタイルを尊重した生き方を重視する。

結婚観

かつて独身女性を揶揄する言葉として言われた「独身女性=負け組」という考えはなく、未婚・晩婚も一つの生き方として捉えている。実際に20〜30代の未婚率は男女ともに上昇している。

平均初婚年齢は年々上昇し、晩婚化が進む。ミレニアル世代にとって結婚は「年齢は関係ない」「それぞれのタイミングでするもの」という意識が強い。

出産観

30代後半〜40代で妊娠・出産する高齢出産を視野に入れている女性や、子をあえて持たない選択をする夫婦も増加。平均出産年齢は徐々に上がっており、晩産化は加速している。

30代、40代の夫婦のみ世帯も増え、DEWKS(共働きで子どもを持たない夫婦)の存在は珍しくなくなってきている。

育児観

「家事・育児は夫婦二人で」という考えを持つ。現状は今なお女性側の負担が大きいが、働き方改革やイクメンの浸透で「家事・育児は女性」という性別役割分業の考え方は古いと思っている。(特に女性や20代男女はその傾向が強い)。育児ではスマホやアプリを積極的に活用。おもちゃとして、子守りとして、教育ツールとしてなど、子どもにスマホを触らせている(スマホ育児)ことも少なくない。

生き方・働き方

インターネットやSNSを通じて国内外の大量の情報に触れてきたことも影響し、価値観が多様化。生き方も働き方も変化。ミレニアル世代以下では、ダイバーシティとインクルージョンの浸透が進んでいる。

生き方

結婚・年齢・場所・仕事などにとらわれない自分らしい生き方を目指す。がむしゃらに「がんばる」ことは古い。エフォートレス&シンプルな生き方が好き。

働き方

生き方の多様化と同時に多様な働き方を理解・受容している(正社員、契約社員、派遣社員、フリーター、フリーランス、ギグワーク、転職、副業、在宅勤務、短時間勤務、育児休暇など)。ワークライフバランスを重視。仕事を人生のすべてにはしたくないと考える。不安視される年金受給や退職金をあてにしていないので、個人年金や資産運用、資格取得、副業をはじめとした、自力で人生100年を生き抜くためのライフプランを描いている。

女性クラスター

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