女性の健康問題、一覧(思春期~老年期)(2/5)

性成熟期(18〜45歳)の健康問題

性成熟期の女性ホルモン

妊娠・出産の時期にあたる性成熟期は、エストロゲンの分泌が盛ん。職業の選択、結婚、妊娠・出産などを通じ人生の中で最もライフコースが枝分かれてしていく時期で、心身にかかる負担や健康問題もライフコースの選択によって異なる。そのような背景から性成熟期の健康問題を一括りに捉えるのは適切ではないので、ここでは、18歳〜29歳と、30歳〜45歳に分けて考えていく。さらに30歳〜45歳については、子の有無に分けてまとめた。

性成熟期前半(18〜29歳)の健康問題

高校卒業後は、進学であっても就職であってもこれまでの生活が一変する。一人暮らしを始めたり自身で収入を得ることで、食生活も時間・お金の使い方も自由になるが、自分自身や生活のコントロールに慣れていないため、ライフスタイルが安定せず不規則な生活になりがち。若さや好奇心から無茶もしやすい。また、恋愛や性経験を通じて生じる健康問題も。性感染症と人工妊娠中絶件数は、全年代の中で20代が最も多い。(参考:厚労省「みんなのメンタルヘルス」,厚労省「国民健康栄養調査報告」)

性成熟期(18〜29歳)の主な健康問題
月経痛 月経痛のうち、体に異常はないが体質で症状が起こる「機能性月経困難症」は10〜20代に多い。月経痛のために仕事を休まざるをえない、あるいは仕事量を減らす女性の割合は若いほど高く、20代は35%、30代は30%、40〜44歳は21%、45〜50歳は13%。また、月経痛はストレスの有無も関係しており、ストレスのある女性の44%は強い月経痛が見られたが、ストレスが軽い女性は22%という調査結果も。(参考:武谷雄二「働く女性と健康」,女性の健康とメノポーズ協会「女性の健康と働き方マニュアル」)
PMS、PMDD PMSは月経のある女性のうち70〜80%に見られる。ストレスや性格も影響するため、個人差が大きい。PMDDの症状はうつ病と似ているため見極める必要がある。(参考:日本産婦人科学会
排卵痛 排卵期前後で月経痛のように下腹部痛を感じる。月経痛ほどは多く見られず女性たちの認識は低いが、排卵期前後で痛みを感じる女性、排卵期にPMSと同様の不調(眠気、イライラ、不安など)を感じる女性、排卵期から月経が始まるまで心身の不調がずっと続く女性など、個人差が大きい。
月経異常 ■無月経:18歳を過ぎても初経がない「原発性無月経」と、普段は正常にある月経が止まってしまう「続発性無月経」がある。後者はストレス、激しい運動、過度のダイエット、過度の肥満、過労、糖尿病、甲状腺疾患、アルコールの過剰摂取、精神疾患関連やホルモン剤などの薬剤の服用などが影響。

■月経不順:月経周期が25日未満で出血を繰り返すタイプは「頻発月経」、月経周期が39日以上3ヶ月以内の場合は「稀発月経」。ストレス、激しい運動、過度のダイエット、過度の肥満、過労、糖尿病、甲状腺疾患、アルコールの過剰摂取、精神疾患関連やホルモン剤などの薬剤の服用などが影響する。(参考:武谷雄二「働く女性と健康」日本女性心身医学会

栄養バランスの偏り 朝食の欠食、野菜摂取量が少ない、外食多い、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が少ないなど、栄養バランスの悪い食事をする傾向が最も顕著なのは20代。(参考:厚労省「国民健康栄養調査平成30年」)
運動不足 運動習慣がないのは男性よりも女性で、さらに女性を年代別に見ると20代の運動不足が顕著。(参考:厚労省「国民健康栄養調査 平成30年」)
痩せ 痩せ(BMI<18.5)は男性よりも女性に多く、さらに女性を年代別に見ると20代に最も多く見られる。(参考:厚労省「国民健康栄養調査平成29年,30年」)
摂食障害のうち、BN 摂食障害は女性に多く、90%以上が女性。BNは、摂食障害のうちいわゆる「過食症」のこと。BNは20代に多い。発症の原因には様々な要素が絡み合っているが、自身の体型・体重への強いこだわりによる過度なダイエットが特に問題視されている。(参考:厚労省「みんなのメンタルヘルス」)
性感染症

 

性器クラミジア感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、梅毒、いずれも全年代の中で20代の感染が最多で、特に20代前半での感染が多い。(参考:厚労省「性感染症報告数」
望まない妊娠、人工妊娠中絶 人工妊娠中絶は、全年代の中で20代が最も多い。(参考:厚労省「衛生行政報告例の概況」
うつ病 女性のうつ病患者数は男性の約2倍で、20代から男女差が顕著になる。(参考:ウーマンズラボ「うつ病の男女比・年代別患者数」)
子宮内膜症 月経がある間の病気で、20〜30代での発症が多くピークは30〜34歳。出産経験がない、あるいは少ないと、発症したり症状が悪化する。(参考:日本産婦人科学会
子宮頸がん

 

20代後半から増えピークは40代。その後は横ばい。(参考:国立がん研究センター「がん情報サービス
バセドウ病

 

甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、女性に多い(男性の4〜6倍)。特に20〜30代の若年層に多く、流産や早産のリスクが上がる。症状の一つに眼球突出があり、美容面における悩みも大きい。
(参考:厚生労働科学研究費補助金「女性の健康の包括的支援政策研究事業」へルスケアラボ

 

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