女性ヘルスケア業界、11個の課題(3/3)

【課題9】男が上で女が下なの?真の男女平等を目指す

先進国であるにも関わらず、日本に今なお残る「男尊女卑」に驚く外国人(特に欧米諸国)は多いものです。共働きなのになぜか育児の大部分は女性が担う。共働きなのに親が介護になったら仕事を辞めて介護を担うのも男性ではなく女性。同じようにキャリアを積んでいるはずが職場で優遇されるのは男性-。いまだにこの男女格差はさまざまな場面で起きています。

このような話になると、「では女性優遇にすべきなのか?」とか「硬直的な男女平等論」に発展してしまうこともありますが、男女の生物学的役割は明らかに異なるため、得意なことや苦手なことなどに性差があるのは当然です(例:重い荷物を持つのは男性が得意。職場のコミュニケーションを円滑にするのは女性が得意など)。他にも、ストレス耐性や疾病罹患リスクにも体のつくりの違いから性差があります。

男女平等とは何もかもを平等にするという極端な考え方に基づくものではなく、「性差」による違いを男女が互いに認め合い、理解し合い、助け合いながら「協力して諸問題に取り組んでいく」ことではないでしょうか。ただ現状は、長い歴史の中で男性主体の社会・風土が出来上がっているのは事実です。そのような中で女性の方がさまざまな負担を強いられてることを特に男性陣にはご理解いただきたいと思ってます。

【課題10】“健常者至上主義”社会からユニバーサルな社会へ

エレベーターがない駅(車いすや杖を使っている人にとっては大変!)、マスクをしたまま接客をする店員(聴覚障がい者にとっては何を言っているか分からない)、塩分・糖質たっぷりのメニュー中心の飲食店(食事制限がある人にとっては外食は困難)など、世の中の商品やサービスは「健康な人」を前提にしているものばかりです。同時に「健常者」と「障がい者・罹患者」には“見えない心理的壁”があります。ユニバーサルな社会をつくっていくためには、“見えない心理的壁”を払拭し、皆で一緒に「ユニバーサルな商品、サービスは何か?」を共創していく必要があります。以下2つの取り組みはまさにそれを実現しています。

【課題11】地域格差をどう縮めるか?

風土、習慣、伝統文化、医療・福祉充実度、交通アクセス、商業充実度などの違いが地域差を生み出し、結果、地域ごとの罹患率、健康寿命、平均寿命、ヘルスケア投資額、年間医療費などに大きな差が出てきます。この地域格差をどのように縮めていくか?「地域医療構想」「スマートシティ化」「遠隔診療」「モバイルヘルス」などで地域格差を縮める取り組みが、国、自治体、企業主体で行われていますが、まだまだ発展途上の段階です。

 

 

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